国政報告

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質問主意書

質問第五七号

個人の尊厳と仮放免に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成二十八年十二月十三日

糸 数 慶 子

参議院議長 伊 達 忠 一 殿

個人の尊厳と仮放免に関する質問主意書

昨年九月十五日、法務大臣は、第五次出入国管理基本計画を策定し、その中で「退去強制手続は、原則として身柄を収容して手続を進めることとされているが、様々な理由により収容が長期化した場合には、被収容者の心身の状態等個々の事情を総合的に考慮し、人道的な配慮が必要と判断されれば、収容をいったん解く仮放免の許可を行っている」としている。仮放免者といえども「人」である以上、先進国として仮放免者に対する最低限の取り扱いが求められることは言うまでもない。

しかしながら、我が国政府が仮放免者を送還までの間どのように取り扱っているかについては、仮放免者の就労禁止条件、仮放免期間、収容令書又は退去強制令書に基づく収容と同日の仮放免(以下「即日仮放免」という。)などの点において、実情は未だ明らかにされていない。そこで、以下質問する。

一 仮放免に附された就労禁止条件

1 平成二十七年九月十八日付で、「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について(通達)」が発出されているが、同通知を発出するに至った事実(政策判断の基礎となる事実)を示されたい。また、事実(政策判断の基礎となる事実)となる統計資料があれば、併せて示されたい。

2 仮放免者は、近時厳しく就労が禁止され、公的給付も受けられない。一方で、退去強制手続や難民認定申請手続等には期間の定めがないため、仮放免者は長期間生活の糧を奪われた状態を強いられている。また、手続の結果として在留を認められる場合にも、就労禁止期間が長く続くことにより、それまでの合法在留期間等において築いた生活基盤を破壊される例も少なくない。かかる状態をできる限り短縮すべく、出入国管理及び難民認定法(以下「入管難民法」という。)等に退去強制手続等の処理期間の定めをおくことは検討されているか。検討されている場合、その進捗状況を明らかにされたい。検討されていない場合、その理由を明らかにされたい。

3 仮放免に附された就労禁止条件に違反して、入管難民法第五十五条第一項に基づき仮放免が取消された者の人数について、過去三十年間の人数を年ごとに示されたい。

4 仮放免に附された就労禁止条件に違反して、仮放免の期間延長が不許可とされた者の人数について、過去三十年間の人数を年ごとに示されたい。

二 仮放免期間

1 二〇一六年三月末日現在、退去強制令書が発付されたものの未だ送還されていない仮放免者は何人か示されたい。また、このうち難民認定申請者は何人か示されたい。

2 前記二の1の退去強制令書が発付されたものの未だ送還されていない仮放免者のうち、仮放免が許可されてから、①十年以上経過している者、②十年未満七年以上経過している者、③七年未満五年以上経過している者、④五年未満三年以上経過している者、⑤三年未満経過している者の人数をそれぞれ示されたい。また、①から⑤のうち、難民認定申請者の人数も併せて示されたい。

3 入管難民法の規定により送還が予定される者であっても、送還までの間、本邦に在留する仮放免者の個人の尊厳は重んじられるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 即日仮放免が許可された者の人数と保証金

我が国の退去強制手続では全件収容主義を採用しているとする見解があるが、即日仮放免が許可されている運用について、以下質問する。

1 過去五年間の入管難民法第三十九条第一項の収容令書に基づき収容された者の人数と、収容と同日に仮放免が許可された者の人数をそれぞれ年ごとに示されたい。

2 過去五年間の入管難民法第五十二条第五項に基づく退去強制令書の発付を受け収容された者の人数と、収容と同日に仮放免が許可された者の人数をそれぞれ年ごとに示されたい。

3 前記三の1及び2のうち、未成年者の人数をそれぞれ示されたい。また、即日仮放免に当たり、未成年者に対しては収容に伴う悪影響を考慮した運用がなされているのか明らかにされたい。

4 前記三の1及び2のうち、職権に基づき仮放免が許可された者の人数をそれぞれ示されたい。

5 前記三の1及び2について、入管難民法第五十四条第二項に基づく保証金の金額ごとの件数及び平均額を示されたい。

6 自由権規約委員会が二〇一四年十二月に発表した一般的意見第三十五号の内容を政府は認識しているか示されたい。また、政府は、自由権規約第九条に規定する恣意的拘禁についても一般的意見第三十五号と同様、合理的な理由がない拘禁、合理的な期間を超えた拘禁は恣意的拘禁にあたると解釈しているのか、政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

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