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質問主意書

質問第五三号

原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成二十九年三月十六日

糸 数 慶 子

参議院議長 伊 達 忠 一 殿

原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言に関する再質問主意書

 二月三日に内閣が提出した「参議院議員糸数慶子君提出原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一九三第一三号。以下「答弁書」という。)により、現政権においても原子力災害対策特別措置法第十五条第二項第二号の「原子力緊急事態の概要」は原子力緊急事態宣言が発せられた当時の表現が踏襲されたまま、同項第三号に定める居住者等に周知させるべき事項である避難指示区域だけが縮小されていることが明らかになった。

以下、答弁書の不明点および関連する事項を質問する。

一 答弁書の一についてには、「避難指示の解除等に併せて法第十五条第二項第一号の区域の見直しを行い」とあるが、「法第十五条第二項第一号の区域」と、原子力災害対策特別措置法第十五条第二項第三号の周知させるべき事項として公示される避難指示区域は同じものであるのかどうか、明らかにされたい。

二 答弁書の一についてには、「法第二条第五号の緊急事態応急対策の適切な実施を確保するため」とあるが、「緊急事態応急対策」とは具体的に何を指すのか。法令の制定や実施、資金の配分など、政府がこれまでに行った「緊急事態応急対策」を可能な限り列挙されたい。

三 原子力緊急事態宣言が発せられて以降、原子力緊急事態宣言における「原子力緊急事態の概要」は変更されていないのに「避難指示区域」は縮小されているが、このように、「原子力緊急事態の概要」と「避難指示区域」に連関がないのであれば、現政権にとって原子力緊急事態宣言は何のためにあるものなのか。

四 現政権が、避難指示区域の縮小が可能であると判断した根拠を明らかにされたい。

五 「法第十五条第二項第一号の区域」が変更され、当該区域に該当しなくなったことを、当該区域に該当しなくなった区域の住民や、土地や建物の所有者に対して、公示以外にはどのような方法で、どのような法的根拠に基づき知らせているのか、明らかにされたい。

六 答弁書の一についてによれば、「法第十五条第二項第一号の区域」である「緊急事態応急対策を実施すべき区域」には南相馬市の一部の区域、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町が含まれているが、これら区域に隣接する海域(以下「当該海域」という。)は「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれているか。含まれているのであれば、これまでにどのような緊急事態応急対策を取ったか、その対策が必要であると判断した根拠と、対策の実施主体とともに示されたい。

七 当該海域が「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれていないのであれば、その理由を示されたい。

八 当該海域が「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれていないのであれば、波打ち際等、潮の干満によって水面から現れたり水面下に沈んだりする部分については「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれるのか、明らかにされたい。また、その部分が「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれる又は含まれない理由を明らかにされたい。

九 原子力災害対策特別措置法第二条第五号で、「緊急事態応急対策」は「原子力緊急事態宣言があった時から(中略)原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において、原子力災害(中略)の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策」と定義されている。当該海域が「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含まれていない場合、「緊急事態応急対策」に類する何らかの対策は行われたのか。何らかの対策が行われたとすれば、その対策を行った法的根拠は何か、明らかにされたい。

十 当該海域は、言うまでもなく、日本の主権が及ぶ領海である。安倍首相が幾度となく国内外で言及するフレーズ「法の支配」を受けるべき海域である。当該海域が「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に現時点で含まれていない場合、今後、原子力災害対策特別措置法における「緊急事態応急対策を実施すべき区域」に含める方針があるかどうか、明確に示されたい。

右質問する。

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