国政報告

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質問主意書

質問第一六七号

米軍北部訓練場における自然環境の保全及び野生生物の保護に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成二十九年六月十六日

糸 数 慶 子

参議院議長 伊 達 忠 一 殿

米軍北部訓練場における自然環境の保全及び野生生物の保護に関する質問主意書

沖縄県は二〇一七年五月、絶滅のおそれのある野生生物の現況をまとめた「レッドデータおきなわ」(第三版動物編)を公表した。二〇〇五年の第二版以来、十二年ぶりの改訂である。絶滅または絶滅のおそれのある野生生物は九百九十一種で、第二版から百五十四種増えた。

「レッドデータおきなわ」では、米軍北部訓練場を含む沖縄本島北部のやんばる地域にだけ生息するヤンバルクイナを、最も絶滅のおそれの高い「絶滅危惧1A類」にランク付けした。なお、環境省は二〇〇六年のレッドリストでヤンバルクイナを「絶滅危惧1A類」にランク付けしている。

「レッドデータおきなわ」は、その改訂の目的について以下の通り記している。「沖縄県においては、亜熱帯海洋性気候のもとでイリオモテヤマネコ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの数多くの固有種を含む野生生物が生育・生息しており、学術的にも評価の高い地域として国内外から注目されている。一方、各種開発に伴う森林伐採や土地改変等による自然環境の改変や外来動植物による撹乱等もあいまって野生生物の生息・生育状況は深刻になりつつある。このような状況を踏まえ、沖縄の野生生物相の現状を把握し、代々引き継いできた野生生物およびその生息・生育地を次世代に引き継ぐための保護対策を講ずる基礎資料として、沖縄県版レッドデータブックの作成を行うこととなった。」。

環境省は二〇一六年九月、やんばる地域にやんばる国立公園を指定した。二〇一七年二月には、奄美大島や徳之島、やんばる地域、西表島などの世界自然遺産登録に向けた推薦書をユネスコ(国連教育科学文化機関)に提出した。

米軍北部訓練場の新たな四つのヘリコプター着陸帯(以下「オスプレイパッド」という。)の建設は森林等の伐採による自然環境の破壊を招き、オスプレイの訓練等による騒音は野生生物の生息環境を著しく損なうことが明らかであり、日本政府によるやんばる国立公園の指定及びやんばる地域等の世界自然遺産登録に向けた取り組みなど、やんばる地域の自然環境の保全及び野生生物の保護に逆行する。

よって、以下、質問する。

一 日本政府と米国政府との間において、米軍北部訓練場の自然環境の保全及び野生生物の保護等に関し、何らかの取り決め等を有しているのであれば、その内容を明らかにされたい。

二 日本政府は、やんばる国立公園の指定及びやんばる地域等の世界自然遺産登録に向けた取り組みにおいて、米軍北部訓練場をどのように位置づけているか、見解を示されたい。

三 日本政府は、米軍北部訓練場の新たな四つのオスプレイパッドについて環境影響評価を実施していないが、環境影響評価を実施しない理由を示されたい。

四 日本政府がやんばる地域の自然環境の保全及び野生生物の保護等において最も重視する施策を明らかにされたい。

五 米国政府が日本政府に通告した、米軍北部訓練場における直近の訓練の詳細を明らかにされたい。

六 二〇一六年十二月に返還された米軍北部訓練場の約四千ヘクタールについて、日本政府は、土壌汚染の調査、除去等、どのような手順で原状回復を図るのか、その作業工程を詳細に明らかにされたい。具体的には、①土壌汚染の調査対象場所の選定とその根拠、②汚染調査の項目、③汚染物質等の浄化・除去等の方法、④原状回復に至るまでの工程表、⑤原状回復に必要な予算を明らかにされたい。

右質問する。

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