国政報告

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答弁書

答弁書第二八号

内閣参質一九七第二八号

平成三十年十一月二十七日

内閣総理大臣 安 倍 晋 三

参議院議長 伊 達 忠 一 殿

参議院議員糸数慶子君提出有機フッ素化合物PFOS・PFOAによる環境汚染に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員糸数慶子君提出

有機フッ素化合物PFOS・PFOAによる環境汚染に関する質問に対する答弁書

一について

ペルフルオロ(オクタン-一-スルホン酸)(以下「PFOS」という。)については、平成二十二年四月一日に化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十七号)第二条第二項に規定する第一種特定化学物質に指定されており、平成三十年四月一日以降は、全ての製品の製造への使用が禁止されているところである。

また、ペルフルオロオクタン酸(以下「PFOA」という。)については、同法に基づく使用規制の対象となる化学物質として指定されていない。

二について

嘉手納飛行場の周辺地域については、平成二十九年度に沖縄防衛局が同飛行場の周辺を流れる比謝川、大工廻川及び与那原川においてPFOS及びPFOA(以下「PFOS等」という。)に関する水質調査を実施しており、当該調査を行った①平成二十九年四月二十九日、②同年十月二十三日、③同月三十日、④同年十一月十四日及び⑤同年十二月六日における河川の流水一リットル当たりに含まれるPFOS等の量について、各調査地点ごとに調査結果をお示しすると、次のとおりである。

比謝川大橋付近(比謝川)

①調査実施せず ②四十五・五ナノグラム ③五十四・八ナノグラム ④四十六・六ナノグラム ⑤百二十・〇ナノグラム

久得橋付近(比謝川)

①百八・三ナノグラム ②百二十四・八ナノグラム ③八十九・九ナノグラム ④十九・九ナノグラム ⑤百一・〇ナノグラム

知花橋付近(比謝川)

①十七・五ナノグラム ②三十六・四ナノグラム ③九十七・三ナノグラム ④四十・三ナノグラム ⑤十九・五ナノグラム

大工廻川下流付近(大工廻川)

①二百七・〇ナノグラム ②三百十一・〇ナノグラム ③二百六十二・〇ナノグラム ④四十四・九ナノグラム ⑤二百三十六・〇ナノグラム

内喜納橋付近(与那原川)

①六・二ナノグラム ②八・〇ナノグラム ③二十・五ナノグラム ④三十三・〇ナノグラム ⑤二十七・〇ナノグラム

これらの調査は、限られた期間及び条件の下で実施したものであり、政府としては、必ずしも当該地域におけるPFOS等の全体像を把握するには至らなかったものと考えており、引き続き当該地域の水質動向を注視していく必要があるものと考えている。

他方、普天間飛行場の周辺地域については、政府としてはPFOS等に関する水質調査を実施していない。

三について

御指摘の「嘉手納基地及び普天間飛行場の施設内におけるPFOS等に関する調査」に関し、日米間のやり取りの詳細について明らかにすることは、米国との関係もあり、差し控えたいが、嘉手納飛行場の施設・区域内においては、平成二十九年度に沖縄防衛局が、米側と調整の上、大工廻川の流量調査を実施している。他方、同飛行場の施設・区域内における大工廻川の水質調査については、米側との調整が整っておらず、実施していない。

また、普天間飛行場の施設・区域内については、PFOS等に関する調査の申入れを行っておらず、調査を実施していない。

四について

御指摘の「日本環境管理基準」は、在日米軍が作成し、運用しているものであることから、政府としてお答えする立場にないが、御指摘の「在日米軍施設が発生源とされる環境汚染等の問題」については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)の下にある環境分科委員会の枠組みを活用するなどして適切に対処してきているところである。

いずれにせよ、政府としては、米側が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう引き続き働きかけてまいりたい。

五について

御指摘の「在日米軍施設に起因する環境汚染問題」については、これまでも政府として、必要に応じて、在日米軍に対し事実関係の照会を行い、得られた情報については速やかに関係自治体に対し提供を行う等の対応をとってきており、今後とも、日米合同委員会の下にある環境分科委員会の枠組みを活用することなどにより適切に対処してまいりたい。

六について

「本件について、日米地位協定の環境補足協定はいかなる役割を果たし得るのか」とのお尋ねについては、その意味するところが必ずしも明らかではないが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(平成二十七年外務省告示第三百五十一号。以下「環境補足協定」という。)第四条(a)に規定する環境に影響を及ぼす事故(すなわち、漏出)が現に発生した場合における立入手続は、平成二十七年九月二十八日付け合同委員会宛て覚書「環境に関する協力について」において定められており、当該手続においては、平成九年三月三十一日付け合同委員会宛て覚書「事件・事故の通報手続」に基づいて、米側から環境に影響を及ぼす事故(すなわち、漏出)についての通報が行われたとき、日本国政府、都道府県又は市町村の関係当局は、現地視察及びサンプル採取のための立入りを申請することができることとされている。

なお、平成二十七年九月二十八日の環境補足協定発効以降、現在までに当該手続に基づき在日米軍施設・区域への立入申請が行われた事例はない。

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