国政報告

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沖縄防衛局が作成した説明資料、安倍政権の女性政策と国際評価

第192回国会 2016年11月24日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風の糸数慶子です。

本日は裁判官の報酬等の改正法案を含む三案についての審議ですが、賛成の立場を表明した上で、前回の防衛省の答弁に関する質問、内閣府への質問をさせていただきます。

まず、沖縄防衛局がヘリパッド建設に抗議する市民の写真を載せ、悪質な違法行為と断定する説明資料を作成し、その資料が外部の個人のフェイスブックに載り、悪質、違法と名指す情報が流布された件について再度質問いたします。

まず、その違法行為と断定する根拠についてであります。深山局長は、沖縄防衛局の職員がその場で無断で提供施設・区域に立ち入ったり他人に暴力を振るったり他人の所有物を損壊するような行為を確認しているということから、取り立てて我々は不適切なものとは考えていませんと答弁されました。つまり、防衛省の職員がそう言ったから違法、悪質と決め付け、資料まで作成した、それも、有罪判決が確定していないのに敬称も付けずに名前を挙げて犯罪者扱いしていることを不適切と思わないということでした。

深山局長の答弁によりますと、この資料は、沖縄防衛局が、同局に説明を求めてこられた方々の求めに応じて北部訓練場の状況を説明したいとの目的で十一月七日に作成したということですが、説明を求めてこられた方々というのはどういう方なのでしょうか、伺います。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

我々が御説明を申し上げた具体的な方々につきましては、その方々との関係もございますのでお答えは差し控えさせていただきたいと考えておりますが、それぞれ関心を持ってお問合せのあった方等でございます。

糸数慶子君

ネット上で広めた方が説明を受けた方なのか、あるいは防衛省の職員が意図的に掲載した結果広まっているからなのか、それが分からないからお尋ねしているのです。北部訓練場の状況を説明したいためではなく、反対運動の人に嫌がらせをしたいために行っているのではないかと言わざるを得ません。

深山局長は、この資料は、北部訓練場のヘリパッド移設工事について理解をしていただくに当たり、沖縄防衛局として必要な内容、資料を示したものでございますというふうに答弁されておりますが、この資料を見た多くの沖縄県民は、移設工事に理解どころか防衛局に対して怒りと不信感を持ったというふうに思いますが、沖縄県民の写真を無断で使い、違法、悪質とした資料で理解していただくというのは、誰に対して理解していただくのでしょうか。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

私どもは、北部訓練場過半の返還というものを目指しまして、これは古くSACO合意、二十年前になりますが、において決められたものでございますが、これを実施して、そのための工事を現在実施しておるところでございます。

この工事につきましては、反対をされている方が現にいらっしゃるということは、まさに御指摘の資料にもありますように、我々も十分承知いたしておりますが、その一方で、北部訓練場過半の早期の返還を望んでおられる方もいらっしゃると考えておるところでございます。

いろいろな方々がいらっしゃる前提で、我々が行っていること、現在北部訓練場で起こっていることにつきましては、正確に情報をお伝えするということはやはり正確な御理解を得るために必要なことだと思いますし、その点では私はこれは正確な御理解をいただく一助になったのではないかと考えております。

糸数慶子君

沖縄県民の土地に立ち入ったり暴力を振るったり、さらに県民の所有物を損壊するような行為を私たちは確認しているから基地は要らないと言っているわけです。これまでもありましたように、差別や偏見を助長する資料を作成し外部に提供した沖縄防衛局に改めて強く抗議をし、さらには、この安倍内閣におきましては、これまでの各種選挙によって沖縄の県民の八割がこの基地建設に反対をしている、その意図を酌まずにこのように強行的な状態で工事を進めていく、そのことにも改めて強く抗議をして、次の質問に入りたいと思います。

安倍政権の女性政策と国際評価について伺います。

内閣府は、十月二十九日、男女共同参画社会に関する世論調査の結果を公表しました。この調査は、男女共同参画社会、家庭生活、女性に対する暴力などについての意識と行政への要望について尋ねたものであります。男女の地位が平等になっていると思うかとの質問に対し、平等感が最も高かったのは学校教育の場の六六・四%、次いで、家庭生活と、自治会やPTAなど地域活動の場がほぼ同じレベルの四七%台でした。続いて、法律や制度上が四〇・八、そして、職場は二九・七、社会通念、習慣、しきたりは二一・八%と続き、最低だったのは政治の場の一八・九%であります。

職場や政治の場が男女不平等であると考えているのは国民だけではありません。世界各国の政財界の指導者が集まるダボス会議を主催する世界経済フォーラムが、十月二十六日、二〇一六年版世界男女格差報告書を公表しました。日本の男女格差指数は百四十四か国中百十一位で、昨年の百四十五か国中百一位から順位を下げました。

男女格差指数は、経済、教育、健康、政治の四分野を総合した評価で、日本は、男女賃金格差が大きく、女性管理職が少ないことや女性の政治参画が極端に低いことから、経済分野と政治分野で総合指数を下げています。政府は、安倍首相の肝煎りで全ての女性が輝く社会づくりに邁進していますが、これでは輝くどころか男女格差は広がる一方であります。

世界の女性議員比率は過去二十年で倍増し、二割を超えていますが、IPU、列国議会同盟などによりますと、今年十一月一日、現在の下院女性議員比率のランキングでは、日本は九・三%で百九十三か国中百五十九位、OECD加盟国三十四か国では最下位という不名誉な状況であります。

クオータ制を導入している国が着実に女性議員を増やしていることを見ても、政治分野のジェンダーギャップを埋める最も有効な方法がクオータ制の導入だというふうに思います。

そこで、政府参考人に伺いますが、現在クオータ制を導入している国はどれくらいあるのでしょうか。

政府参考人(大塚幸寛君)

お答え申し上げます。

政治分野のクオータ制につきましては幾つかタイプがございまして、大別をいたしますと、法令によりまして性別による議席の割当てを設けたり、それから政党の候補者に一定の男女比率を割り当てるものがまずございます。それから、法令によるものではなく、言わば政党が自主的に党規約等におきまして候補者の男女比率を定めているものもございます。

本年の四月現在でございますが、何らかのクオータ制を導入している国の数は百十一か国でございまして、内訳を申し上げますと、議席割当てによるものを導入している国は二十四か国、それから候補者に一定の男女比率を割り当てるものを導入している国は五十四か国、さらに政党による自主的なクオータ制を導入している国は五十三か国であると承知をしております。

糸数慶子君

多くの国がこのクオータ制を導入したことで女性議員の数が着実に増えております。政治分野での女性の活躍の場にはやはりクオータ制は欠かせないということだというふうに思います。

クオータ制導入に向けては、超党派の議員連盟で法案提出に向けた取組が行われ、野党四党は既に議員立法案、提出をいたしました。与党案との修正協議に臨む予定でしたが、与党の自民党が今月の十六日、女性活躍推進本部などの合同会議でクオータ制導入に向けた政治分野の男女共同参画推進法案の了承を見送ったことで、今国会での成立は絶望的な状況となっています。クオータ制導入を待ち望む多くの女性たちは落胆と衝撃をもって受け止めました。

会議では、女性の社会進出が少子化を加速させているとの考えを背景に、女性の社会進出で社会全体が豊かになっているとは思えないとか、法律を作ることでかえって男女の対立が生じてしまうのではないかとか、能力のある人は自力ではい上がるとか、あるいは政党が自ら努力する話などの異論が続出したというふうに聞き及んでおります。

いろいろ考え方はあってもいいと思うのですが、事実誤認ではないかと思う点も多々ありますので、政府に確認したいと思います。

女性の社会進出に法整備が追い付かない、あるいは行われないために子供を産むことができないというのが現実ではないでしょうか。法整備を怠っておきながらその責任を女性に負わせる発言に、女性たちはますます政治不信になるのではないかと危惧いたします。

安倍内閣は、全ての女性が活躍できる社会をつくる、また、女性活躍は成長戦略の中核であると強調し、それまで周辺化されてきた女性政策を政策の中心に据えたという点では一定の評価をしております。ただ、性別役割分業意識、そこから脱却できないため、少子化の克服も男女格差の解消も難しいと思いますが、政府はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(大塚幸寛君)

お答えを申し上げます。

昨年末に閣議決定をいたしました第四次の男女共同参画基本計画におきましては、我が国において女性の活躍を阻害している要因には、高度経済成長期を通じて形成されてきた固定的な性別役割分担意識、性差に関する偏見や様々な社会制度、慣行があると考えられるとしているところでございます。

また、先ほど委員も一部引用されました、内閣府において実施、公表いたしました男女共同参画に関する世論調査におきましては、いわゆる夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるという考え方に対しまして、賛成又はおおむね賛成と答えた方々の割合は四〇・六%でございまして、この割合自体は過去の調査と比較いたしますと最も少ない値ではございますが、今も約四割の方がこうした考え方に賛同されているという結果になっているわけでございます。

特に、男性にこうした考え方が根強く残っているということも言われておりまして、家事や育児等の家庭的な責任の多くを事実上女性が担っていることにつながっているという指摘もあるところでございます。実際に六歳未満のお子さんを持つ夫の家事、育児時間を比較をしてみますと、日本は国際的に見て低い水準にとどまっている状況にございます。一方で、夫の休日の家事の育児時間が長いほど第二子の出生割合が高くなるという調査結果も出ておるところでございます。

政府におきましては、こうしたことも踏まえまして、男女共同参画会議の下に男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会を設置をいたしました。男性の意識の変革のための方策を検討していくこととしているところでございます。

こうした取組を通じまして、現内閣の下で、女性活躍、男女共同参画を引き続き強力に進めてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

男女平等が進んだ国もそうでない国も、やはりこの男女の格差の解消を阻むもののトップに掲げるのが性別役割分業、そのような意識を解消することだというふうに思います。

性別役割分業の意識を変えていく、それは、まず政治の現場でもさることながら、フランス辺りでは少子化を克服をしたという大きな原因の中に、やはり全ての女性が活躍できる社会をつくる、そして女性の活躍は成長戦略の中核であるということを大きく取り上げて、随分変わってきた国であります。

ヨーロッパ諸国においてもそういう状況が随分ございますけれども、そういう性別役割分業のその意識をやはり脱却をしていかなければ、日本の男女格差の解消も、そして少子化の克服も実現はできないのではないかということを強く申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。