国政報告

議事録議事録一覧へ

鶴保大臣の沖縄北方担当大臣としての資質等、オスプレイ機が物資をつり下げて飛行訓練

第192回国会 2016年12月12日 沖縄及び北方問題に関する特別委員会

糸数慶子君

沖縄の風の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

鶴保議員が沖縄北方担当大臣に就任されましたのは四か月前の八月三日です。この間、沖縄では、ヘリパッド建設やそれに伴う差別発言、普天間爆音訴訟の判決など数多くの問題がありました。延長された国会の最終盤でようやく特別委員会が開かれたことについて、余りにも遅過ぎると言わざるを得ません。

鶴保大臣は七日の特別委員会で、沖縄が自立的に発展することにより、地方創生のモデルとなることを目指し、引き続き、沖縄振興策を総合的に積極的に推進してまいりますと述べていらっしゃいます。

沖縄県が公表した二〇一五年度の観光収入は、前年度より一二・七%増えております。六千億円に達し、三年連続で過去最高を更新しました。観光産業の顕著な伸びにより、今や基地は沖縄経済の手かせ足かせ、そして沖縄経済の最大の阻害要因であるというふうに言われております。沖縄が自立的に発展する道は基地の撤去、これしかないということを申し上げて、質問に入りたいと思います。

先ほどもいろいろありましたけれども、まず土人発言に対して伺います。

今年の十月の大阪府警の機動隊による土人発言についてでありますが、法務省の人権擁護局長は、これは、警備中の警察官がこのような発言を行うことは人権擁護上大変問題があり、残念であり、許すまじきことだということを答弁をしていらっしゃいます。ところが、鶴保大臣はこれまで一貫して差別と認定できないとの見解を示していらっしゃいます。先ほどもございましたが、機動隊員のこの土人のほかにもシナ人という発言を行っております。この発言の際の状況、そしてこの直前の侮蔑的な言葉など、鶴保大臣、映像で確認されましたでしょうか。

このことも確認されているかと思いますが、この発言の前に、くそだとかぼけだとかという言葉を使っています。その後に続くのがこの土人発言という言葉でございます。この言葉が、侮蔑を込めた意味、差別発言であるということは私は明々白々だと思うわけですが、大臣は十月二十一日の記者会見で、人権問題だと捉えるのは言われた側の感情に主軸を置くべきとおっしゃっていらっしゃいます。土人と言われたその当事者の芥川賞作家、目取真俊氏は差別的発言と言っているのですから、これは差別発言と断定できるのではないですか。

改めて大臣の見解を伺います。

国務大臣(鶴保庸介君)

まず、映像を見たかというお問いでございますが、私はつぶさには見ておりません。どの映像の部分で見られているか等々、私がその判断をする立場にないということは繰り返し申し上げてきたつもりでありますから、そういう意味においても、私が差別であるという断定をできる、でき得る立場にないということを繰り返し申し上げているにすぎません。

土人という発言が不穏当なものであるということは私も感じるところでありますし、また、公権力の行使に当たる者が威圧的言動をするということは、県民に対して、あるいは言われた者に対して、どういう思いを想起するかということはもう明々白々であります。

繰り返しになりますけれども、そういう状況でありますから、私としては今現状はそういうお答えにならざるを得ないということであります。

糸数慶子君

本当に残念です。沖縄北方担当大臣として、やはり、先ほどもありましたけれども、沖縄に寄り添ってお仕事をする、今の答弁を伺いまして、北方担当大臣としての資質まで疑いたいというふうに思わざるを得ません。

十二月六日、法務委員会の部落差別解消推進法案に関して、法案審議について、四人の参考人が土人発言は差別との認識を示しました。特に、全国地域人権運動総連合の新井直樹事務局長からは、差別を認めない担当大臣に対する人権教育の方が大切だという発言がありました。また、石川元也弁護士からは、鶴保大臣は大臣としてふさわしくないという趣旨の発言もありました。

差別問題に取り組む専門家の方々が差別であると判定し、鶴保大臣のこの資質を疑っていらっしゃるということ、ただいまの発言を聞いて、私もそう思わざるを得ませんが、鶴保大臣はこのような人権問題に取り組む方々の発言をどう受け止められたのでしょうか。

国務大臣(鶴保庸介君)

今委員が御指摘をなさいました十二月六日の参議院法務委員会の参考人の発言でございますが、参考人の中には、京都産業大学の方、灘本教授でございますが、当該警察官の発言は明らかに問題発言だと思うが、それを政府が差別であるかないかというのを決定して言うことがいいのかどうかというのもちょっと、少なくとも大変な問題発言ということさえ認めれば、差別と規定するかどうかは余り重要でないと思うという発言もございます。

なお、加えて、この不穏当発言に対し、当の沖縄の石垣市でございますが、石垣市の市議会で、高江現場における不穏当発言に抗議し警備体制の改善を求める意見書として市議会の方で決議をいただいております。そのくだりの中で、省略をいたしますが、「しかし、今回の発言は県民に向けられたものではなく、県民への差別発言でもない。」としっかりと書いていただいております。

こうしたことも踏まえ、総合的に勘案して、私が差別であるかどうかを断定する立場にないということだけを繰り返し申し上げておるのでありまして、御理解をいただきたいというふうに思います。

糸数慶子君

問題となっているこの土人発言について、先ほど儀間委員からも石橋委員からもありましたが、沖縄では、県民を侮辱している、そして差別というその感想を持った人が大半であると。翁長県知事も、知事としても沖縄一県民としても言語道断で到底許されるものではなく、強い憤りを感じていますということをコメントを出しています。

鶴保大臣には、沖縄担当大臣として改めて県民に寄り添い、警察に対して抗議を行うといった対応が期待されていました。それが、差別と断定できないというようなそういう発言、土人発言容認とも言われるようなその発言をされています。アイヌや沖縄の問題にも関わる沖縄北方担当大臣は、最もマイノリティーの政策や人権問題に敏感でなければ務まらないというふうに思います。今回のような言動が二度と繰り返されることのないよう、沖縄担当大臣としてむしろ警察庁に対して抗議を行うべきだというふうに思います。

それから、鶴保大臣には県民を失望させる発言が多々見られます。十月六日に都内で開かれた沖縄県選出の、沖縄選出自民党議員のパーティーで、選挙結果が沖縄振興策とリンクしているというその趣旨の発言がありました。これ、先ほどもありましたが、自民党議員が当選しなければ沖縄振興に滞りが出るというその趣旨での発言でしょうか。大変憂慮すべき問題発言だと思います。

本来、沖縄振興策は、沖縄戦による壊滅的な被害や、それに続く二十七年間の米軍の異民族の施政権下による様々なインフラ整備や公共の福祉などのその遅れを取り戻すために、さらに沖縄県の一〇%の土地を占めている米軍の基地、それによっての経済振興の難しさ、離島県であることなどが沖縄振興策が作られた理由でありますが、自民党員が選挙に当選しなければ沖縄振興予算は少なくなる、そのように取れるような発言をしておりますけれども、真意をお聞かせください。

国務大臣(鶴保庸介君)

まず、前提として、今先生が御指摘をいただいたことに対して、繰り返しになるようでありますが、私の土人発言についてのコメントは、繰り返し申し上げますが、この問題を容認している、あるいは擁護しているという御指摘については、全くそうではないということだけは申し上げて、強調をしておきたいというふうに思っております。

その上で、沖縄振興策と選挙結果がリンクしているという趣旨の発言というふうに聞いておりますが、選挙結果というのは、皆さん、県民の、ここにいらっしゃる委員の全員がそうだと思いますが、県民の、市民の皆さんの支持を得なければならない。そして、その支持というのは、地域の、多くのことがあるでしょうけれども、その地域の生活に即した振興策が必要になってくると。

私は常々思っておりますけれども、沖縄の、沖縄のみならず、地域の振興策というのは、国が、あるいはその行政の側が一方的に策定をしていくだけではなかなか実効的なものはつくり得ないというふうに考えております。特に沖縄県民、沖縄に関しては、その振興策を皆さんこぞってつくっていただいて、そのアイデアを我々が一緒になってつくり上げていくんだという思いを持ってやっていくべきなんだという趣旨で申し上げたつもりであります。たまたまそれが自民党の国会議員の集まりの中での発言でありましたから、その辺は誤解を生んだかもしれませんけれども、これは一般論として、私ども全員がそういう思いでやっていくんだということを皆さんに申し上げたつもりであります。

糸数慶子君

本当に残念でございますけれども、誤解を生むような発言は慎んでいただきたい。そして、御自身の発言がいかに沖縄県民を傷つけているのか御自覚もないようですが、沖縄担当大臣として適格なのか非常に私は疑問だということを述べて、次の質問に入りたいと思います。

十二月六日から四日連続で沖縄県宜野座村城原区でオスプレイ機が物資を付けて、つり下げて飛行訓練行っておりますが、オスプレイは墜落事故が多く、真上を飛行するだけでも不安になります。騒音は百デシベルを超え、低周波音でかなりの圧迫感があったと想像できます。今回のこの訓練でつり下げている物資は箱状のものでありますが、つり下げは落下の危険性が度々指摘されてきております。住宅の真上をオスプレイが低空飛行で物資をつり下げて飛行する、もう考えただけでも本当に背筋が凍ってしまいます。

沖縄防衛局長は、六日の夜間、異例の抗議を米軍に対して行っています。しかしながら、米軍は全く聞く耳を持たず、その後も八日まで、四夜連続でこのような訓練続けておりますが、民間地上空のつり下げ訓練に対して、外務大臣として岸田大臣、米軍へ強く抗議を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

御指摘のように、米軍がオスプレイに物資をつり下げて飛行を行ったこと、承知をしております。そして、その上で、十二月九日に川田沖縄大使からニコルソン在沖縄米軍調整官に対しまして、航空機の運用に際して住宅地上空の飛行を避けるなど、周辺の住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう強く申入れを行うなど、政府として様々なレベルで米側に対して申入れを行ってきております。

外務省としましては、引き続き米軍に対して、飛行訓練に際しては安全面に最大限の考慮を払うとともに、周辺の住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう、適切な機会を捉えて働きかけていく考えであり、私自身のこの申入れにつきましては、そういった取組を進める中にあって、状況に応じて適切に判断をしていきたいと考えます。

糸数慶子君

私たち県民がなぜこういうことに大変ぴりぴりするかといいますと、過去に読谷村でこういう米軍がトレーラーをつり下げて訓練を行っていたところ、小学校五年生の棚原隆子ちゃんが、この自宅の庭にトレーラーが落下しました、パラシュートが開かずに落下したそのトレーラーに押し潰されて、下敷きになって小学校五年生の女の子が死亡したという事件があったからです。

民間地でのこの物資のつり下げ訓練というのは、その危険性からも沖縄県は強く自粛を求めてきている状況であります。特に、宜野座村の民間地で行われている危険な訓練は高江でも行われるのではないかというふうに住民は危惧しております。

沖縄県民も国民です。日本の国民と私たちは思っておりますが、どうして沖縄の県民だけがこういうふうな状況で危険にさらされていくのか、私たちの生命や生活を犠牲にして成り立つようなこの日米安全保障には賛成できないということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。