国政報告

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オスプレイ配備について抗議、鶴保大臣の所信、こども貧困

第193回国会 2017年3月21日 沖縄及び北方問題に関する特別委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

質問に入ります前に、オスプレイの配備について一言申し上げたいと思います。

アメリカ国防総省が、今月の十三日、今年後半に予定していた横田基地へのオスプレイの配備についてでありますが、二〇一九年の十月以降にこれは延期することを明らかにしております。しかし、この延期の理由は今のところ明らかにされておりませんので、先日、外務省にお尋ねをいたしました。これは米国側に照会中であるということで、きちんとしたお答えをいただくことはできませんでしたけれど。

沖縄県におきましては、昨年の十二月の十三日、オスプレイが名護市に墜落をする、キャンプ・シュワブの沿岸部の浅瀬に墜落をして大破するという大変重大な事故が発生をいたしました。これは、事故現場が住宅地域に大変近かったことから、それこそ一歩間違えば大惨事になったところでありますが、この事故原因の究明や県民への説明が行われないままに一週間で飛行再開になっております。

御存じだと思いますが、先ほどもありましたこのニコルソン四軍調整官の発言が大変な物議を醸して、県民の感情を逆なでをしたという現実もあるわけですが、外務省によりますと、日米間の取決めで、事故の調査報告はこれは日米間で六か月以内とされているようですが、本土で延期をされているのに事故が起こった沖縄でその事故原因も明らかにされないままに飛行を再開するということは一体どういうことなんでしょうか。これは、今答弁を求めませんけれども、沖縄への差別ではないかという県民の声が上がっております。早急な原因究明はもちろんのこと、危険なオスプレイの飛行は即時に中止すべきであるということを申し上げ、また、沖縄担当大臣として、鶴保大臣にもこの件に関しましては是非、力を貸していただきたいというふうに思います。

ただ、大臣はかつて、先ほどもございました、振興策と基地問題は確実にリンクをしているとか、あるいは沖縄県民に対するこの機動隊のことで、土人発言があったわけですが、これは差別とは断定できないというふうに発言をされたこともございます。この発言によって多くの沖縄県民が傷つき怒りに震えたということを、私は私の質問主意書の中でもお伺いいたしました。

本当に、沖縄県民に寄り添うという、そういう大臣の発言もございます。これは言葉だけの問題ではなくて、真の意味で沖縄県民に寄り添う、そういうふうな姿勢で取り組んでいただきたいというふうに思います。今国会の所信表明におきまして、鶴保大臣は、県民の心に寄り添いながら一歩も二歩も進めてまいる所存ですというふうに力強くおっしゃっていらっしゃいます。本当に一歩も二歩も三歩も進めていただきたいという、そのような思いで質問いたします。

沖縄振興は、これはそのスタートのときから本土との格差是正、それをするために始まったものと理解しておりますけれども、残念ながら、まだまだ沖縄の県民所得、それから雇用の実態、先ほどもありましたけれども、その貧困率、これを比べても本土とは大きな隔たりがあるわけです。とりわけ、子供の貧困問題というのは今大変な問題になっておりますので、今回はこの子供の貧困問題を中心に質問をさせていただきます。

まず、鶴保大臣は、沖縄は日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しているというふうに述べていらっしゃいます。確かにそういう一面もあります。沖縄の出生率が全国一高いという現状はあるわけですが、それにはまたそれなりに様々な事情や問題もあるわけです。例えば、沖縄は、若年の出産率、それから離婚率がそれぞれ全国一になっております。それから、多子世帯、特に貧困世帯での多子が見られ、実際には貧困の連鎖を生む、そういう側面も出てきているわけですが、そこでお伺いをいたします。

この貧困問題について、大臣も所信表明の中で、子供の貧困問題に対して、親の経済自立の支援にしっかり取り組み、沖縄の将来を担う人材の育成に努めることで、貧困の連鎖を断ち切り、沖縄の自立、発展につなげるというふうに言及していらっしゃいます。全国でも子供の約一六%が相対的貧困状態にあり、大変な問題になっております。それが、沖縄において約三〇%と全国の約二倍、県内の九万人の子供が相対的貧困状態になっています。

この問題を解消するために、政府として具体的にどのような対策を講じられるのでしょうか、大臣にお伺いいたします。

国務大臣(鶴保庸介君)

まず、お答え申し上げる前に一つだけ、先ほどの御発言の中で、振興策と基地問題のリンクについてですね、複数回御言及がありましたから、当委員会でまだ申し上げておらなかったかもしれません。基地問題について、その基地があるかないかについてで初めて、例えばそこに道路を造る、あるいはそこに何かを造るといった振興策の中身についての影響は確実に受け得ると、そういう趣旨でありますので、振興額と基地問題がリンクするという趣旨で捉えていただかないように、よろしくお願いをいたします。

それから、御質問でございますが、我々、この人材育成については、もうありとあらゆる人材育成についての手だてを考えていかなければならないというふうに思います。先ほど奨学給付金のくだりでお話をいたしましたけれども、私たちとしては、子供の貧困といってもいわゆる若年者の方々、まあ方々というか、母子家庭で育ったような子供の居場所の確保でありますとか、彼らが夢を持ち得るような教育給付でありますとか、こういったことも大切であると同時に、その親の世代も、しっかりと子供たちに対してその家庭がしっかりと成り立っていくような職業訓練のようなものが必要なのではないか等々のこともあろうと思います。かてて加えて、中学校、高校、先ほどありました高校、大学への、高等教育への進学については給付型奨学金の活用をこれから進めていかなければいけないということも視野に入れております。

こうした問題を様々考えておりますと、どうするべきなのかについて虚心坦懐に努力をするということで、平成二十八年度からは子供の貧困緊急対策事業を実施をし、子供の状況をしっかりと把握し、支援を要する子供とその世帯を支援措置につなぐ支援員の配置、子供が安心して過ごせる居場所の運営の支援等を緊急対策としてモデル的、集中的に行っておりますし、また、先ほど申しました親世代の人材育成についても、より行政にアクセスがしやすいようにネット等々で、こういう事業をやっておりますよと、平たく申し上げて、いうことについて周知徹底をし、そして、この窓口に御連絡をいただければ少なくとも何らかの対応をいたしますよということを呼びかけさせていただいておるところであります。

まだ全てを今つまびらかに申し上げられないところではありますけれども、この予算案を通して、御審議をいただいている予算を、いただけるならば、給付型奨学金等々についてもより踏み込んだものにつくり上げていきたいというふうに考えております。

糸数慶子君

先ほども同じような質問もございましたので重なるところもあるわけですが、改めて、この沖縄県の深刻な子供の貧困問題は、例えば世帯所得の低さ、それも大きな要因になっています。本土よりも人件費が安く、正規雇用で働いていても生活が厳しいというのが現状になっておりまして、沖縄の主要産業である観光産業においても、人手不足が叫ばれているにもかかわらず低賃金、そういう状況の中で、やはり従業員の労働意欲の向上や定着になかなか結び付かないということの問題もあるわけです。

沖縄タイムスが一月に「「働く」を考える」という特集を組み、大変な反響があったようですが、その中でこのような意見がありました。他の県と隔絶された沖縄の地理的条件が労働力の移動を困難にして、雇用者の提示する条件、それから労働者はいや応なくその選択をするしかない状況、これが生まれやすいという状況になっておりまして、これは的を射た意見だというふうに思います。

沖縄県内における人件費の底上げは喫緊の課題であるというふうに思いますが、それについて、その見解と対応策をお伺いしたいと思います。

政府参考人(北崎秀一君)

お答えいたします。

私ども、この二十九年度で新規に予算措置をしてお願い申し上げております中に、産業イノベーションの補助金十億余がございます。例えばその中で、既に会社で働いていらっしゃる方の能力をグレードをアップして、そしてその処遇の改善につなげていくような事業、あるいは、非正規で働いていらっしゃる方、これを正規にできるだけ持っていくような努力、そういった企業を支えていきたいと、あるいは後押しをしていきたいというふうに考えており、今現在、産業界とも相談をし、準備を重ねているところでございます。

また、多くの県の事業でも、ソフト交付金を活用して、そういった観点から努力をしているところがございますので、そういった支援を引き続き重ねて行ってまいりたいと思っております。

以上であります。

糸数慶子君

先ほど大臣の御答弁の中にもございましたけれども、例えば一人親家庭の職業訓練であるとか、いろいろやっていただいていることは私も承知しております。

ところが、昨日ですけれども、沖縄県子ども総合研究所の堀川所長や、あるいはまた、沖縄で直接子供の例えば居場所のために子供食堂を経営していらっしゃる方々との二時間余りの会合の中での議論の中で言われたことは、沖縄には子供食堂が九十三か所、あっという間にこの二年間でできたわけですけれど、実際には、それを閉じるところもありまして、今現在、具体的な運営がされているのは僅か二十三か所に減ってしまったという現実もあります。

これはマッチングの問題もありますけれども、やはり、今日時間が余りありませんのでまた次に細かい議論は回しますが、背景にやっぱり米軍の基地があって、その米軍の基地から、ある意味米兵との間に生まれた若い、若年者の、例えば高校生であるとか中学生であるとか子供の出生があって、それをどうしても米兵が米軍の異動のために米本国に帰ってしまう。残された子供たちがアメラジアンの施設の中に実際に学んでいるけれども、でも、そこに対するやはり支援というのが、国の方からちゃんとした支援がないために、やっぱりその親たちがとても困っていると。一人親世帯の、特にお母さんたちが職業訓練を受けても、この受けた訓練がマッチングするような仕事がないということで大変な困難にあえいでいるという、そういうお話を二時間ほど伺いました。

今日は時間もありませんので、国の方からのこれだけの支援があっても、なかなかそれが不用額になったり、あるいは使い切れていない状況の中で繰越金になったりする、その現実がありますので、是非、大臣を含め、できましたら委員長にお願いしたいところですが、是非、沖縄の方に調査に来ていただいて、この乖離している現実をしっかりと見ていただいて、この支援の在り方、それをいま一度是非とも見直していただきますようにお願いをいたしまして、ちょっと時間もオーバーしておりますけれども、終わりたいと思います。

ありがとうございました。