国政報告

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共謀罪、辺野古新基地建承認撤回に損害賠償請求を検討しているとの金田大臣の発言、旧姓の通称使用、無戸籍問題、東日本入国管理センターでの死亡事件

第193回国会 2017年4月7日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

いわゆる共謀罪法案を性犯罪の厳罰化の刑法改正より先行させ審議することを与党で合意いたしました。昨日、超党派の女性議員で、佐藤勉衆議院議院運営委員長に、刑法改正による性犯罪の厳罰化の早急な実現に向けた要望書を提出してまいりました。性犯罪、性暴力は魂の殺人と言われ、性犯罪の厳罰化は性暴力の被害者の悲願であり、緊急、切迫した課題であります。にもかかわらず後回しされたことを強く抗議いたします。

金田大臣は、早期実現を求める被害者の声を真剣に受け止めていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(金田勝年君)

糸数委員の御質問にお答えをいたします。

法案審議の順序といったものは国会審議の在り方でございます。その法案審議の順序等の国会審議の在り方につきましては国会においてお決めいただく事柄でありまして、法務大臣として申し上げるべきことではないと、このように考えております。

その上で、いずれも重要な法案であるということを申し上げたいのでありますが、まず性犯罪に関する刑法の一部改正法案は、明治四十年に現行刑法が制定されて以来初めて性犯罪の構成要件等を大幅に見直すなどするという点におきまして、非常に大きな意義があるものと認識をいたしております。

また、テロ等準備罪処罰法案は、三年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えた中でTOC条約の締結のための法整備として必要なものであって、テロ等準備罪を新設しTOC条約を締結することは喫緊の課題であると、このように認識をいたしております。

以上申し上げましたように、いずれも国民の安全、安心に直接に関わるものとしまして極めて重要な法案であると、このように考えている次第であります。

糸数慶子君

国民の安心、安全に関わるというのであれば、やはりこの被害におののいている人たちがたくさんいるという状況を考えていきますと、この共謀罪の法案をまず議論する前にやはり刑法改正を先行させるべきだということを改めて申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

沖縄県知事による辺野古新基地建設に関する埋立承認撤回について損害賠償請求を検討しているとの金田大臣の発言がございました。大臣は、三月二十八日の閣議後の会見で、沖縄県の翁長知事が前知事の辺野古新基地建設に関する埋立承認を撤回した場合、知事に対して損害賠償請求を行うことを関係省庁と検討しているというふうに発言されました。金田大臣のこの発言に驚き、憤りさえ感じております。

米軍基地があるゆえに、沖縄県民は今でも強盗、殺人、軍用機墜落、環境破壊や騒音など、多大な不利益、損害を七十二年ずっと受けてきております。第三次嘉手納爆音訴訟では、二月二十三日、騒音が受忍限度を超えているというふうに認定され、国に過去最高の三百二億円もの損害賠償の支払が命じられました。しかし、これさえ国は不服として控訴しております。米軍基地の七四%を沖縄に押し付け、人権侵害や多大な損害で沖縄県民を苦しめておきながら、国の方針に従わないなら損害賠償請求も辞さないという態度は、かつて立ち退きに抵抗する住民を銃剣で排除し、強制的に畑や家屋を破壊した米軍の銃剣とブルドーザーをほうふつさせます。

人権を所管する金田大臣は、沖縄県民がこうした感情を抱いていることをどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いいたします。

国務大臣(金田勝年君)

ただいまの御指摘に対しまして、お尋ねの私の発言というのは今年の三月の二十八日の定例記者会見のときのものを指すのではないかと認識をいたしております。この点、その際の私の発言は、具体的な事案における損害賠償請求の検討状況を述べたものではありません。あくまで一般論として、行政の長が権限を濫用した場合の対応について申し上げたものでございます。お調べいただければ御理解できると思いますが、そういう点をまずは申し上げます。

その上で、私は、七十二年前、沖縄の地が凄惨な地上戦の場となって、また、今も沖縄の方々が大きな基地の負担を背負っているという事実を重く受け止めて、引き続き国を挙げて基地負担の軽減に一つ一つ取り組んでいかなければならないものと認識をいたしております。

私は、今後とも、沖縄のこうした歴史や県民感情等にも十分に思いをはせながら、法務大臣としての職責を果たし、より一層国民の権利擁護を図ってまいりたいと、このように考えている次第であります。

糸数慶子君

県民の思いに寄り添うのであれば、先ほど申し上げましたこと、是非とも県民の心に寄り添うような発言をしていただくことを強く要望したいと思います。

次に、旧姓の通称使用の取組について、総務省にお伺いいたします。

三月九日の法務委員会で、旧姓の通称使用が自治体に十分届いていないため、政府の方針を文書等で通知してはどうかと申し上げたところですが、総務省としてはどのような対応をされたのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(高原剛君)

御答弁申し上げます。

各地方公共団体における職員が旧姓を使用しやすい環境づくりについては、先般の委員の御指摘を踏まえ、本年三月三十日付けで各地方公共団体宛てに事務連絡を発出し、旧姓使用に関する規定等を定めていない団体にあってはこれを定めること、旧姓使用が可能である旨の職員への周知を充実させることなど、より一層の積極的な取組を要請したところでございます。

以上でございます。

糸数慶子君

今まで声を上げられずに諦めていた人が多いわけですが、沖縄の各市町村を通していろんな調査をいたしました。地方の自治体によって対応に差があることをこの調査を通して実感いたしましたが、総務省の周知徹底、いわゆるその文書での通知によって多くの自治体で通称使用が認められ、不利益を被る人たちが確実に少なくなるというふうに思います。対応していただきました結果、名護市でもすぐに対応ができるような成果が出ております。すぐに対応していただきましてありがとうございました。

続きまして、金田大臣にお伺いいたします。

所信表明で大臣が言及されました無戸籍の問題についてであります。九日、そして二十二日の法務委員会で質問ができなかったわけですが、この無戸籍の要因の一つとして出ておりますいわゆる嫡出推定規定についてでありますが、この件について改めてお伺いいたします。

最高裁判決の違憲判決があったことに鑑み、昨年、再婚禁止期間を六か月から百日に短縮する民法改正が行われました。これは、嫡出推定について定める民法七百七十二条二項を前提にすれば、前婚、後婚それぞれの間で嫡出推定の重複を避けるためには計算上百日で足りるとのその判決により法改正がなされたわけですが、一方で、再婚禁止により女性が被る支障をできる限り少なくすべきとの観点から、法務省は、離婚時に妊娠していないことが医師の証明で明らかな場合は百日を待たずに再婚できることといたしました。これは事実上の嫡出推定規定の見直しと言えます。

再婚禁止期間が百日に短縮されたことで、無戸籍問題は、後婚成立後に出生したが前婚離婚後三百日以内の推定期間に入るという事例が増えることになり、この問題が更に深刻化するとも指摘をされております。また、近時の学説によりますと、再婚禁止期間の廃止を前提として、再婚後二百日までに生まれた子供も後夫の嫡出子と推定する、あるいは推定が重なる場合にも後婚の推定を優先させるといった考え方も有力に主張されています。

この法改正では、施行後三年を目途として再婚禁止に係る制度の在り方について検討を加える旨の規定が附則に追加されました。この検討は当然、嫡出推定の見直しも論点に加わるものと理解しておりますが、この附則第二項の再婚禁止に係る制度の在り方に関する検討とは、具体的にどのような点について検討することを考えていらっしゃるのでしょうか、大臣にお伺いいたします。

国務大臣(金田勝年君)

糸数委員の御指摘にお答えをいたします。

民法の一部を改正する法律、御指摘ありましたこの法律の附則におきましては、再婚禁止に係る制度の在り方についての検討は改正後の規定の施行の状況等を勘案した上で行うべきものとされておりますことから、現在はその運用状況を注視をしているところであります。

いずれ、改正後の施行状況について検証を加えた上で再婚禁止に係る制度の在り方について検討を行います。その予定でありますが、例えば再婚禁止期間の規定の適用除外事由の在り方や、それに該当するか否かの判断方法について検討することなどが考えられるものとしております。

糸数慶子君

引き続きまた伺いたいと思います。

次に、東日本入国管理センターでの死亡事件についてお伺いをしたいと思います。

これは、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターで、三月二十五日、ベトナム人男性がくも膜下出血で亡くなりました。三月三十一日付けの法務省入管局が作成した資料には、意識、呼吸がない様子であったことから心臓マッサージをし、救急車を呼んだけれども、搬送先の病院で死亡が確認されたとあります。

現在法務省が調査中ということなので、詳しいことはその調査報告を待ってからということになりますが、関係者や報道によりますと、このベトナム人男性は亡くなる一週間前の三月十八日から職員に対して首に強い痛みがあることを訴えていたようです。対応に問題があったのではないかとも報じられております。このくも膜下出血を発症した場合、すぐに対応が必要となりますが、痛み止めの処方がされただけで部屋に戻されたということです。普通の食事ができないため、おかゆを求めたのに駄目だと言われ、亡くなる前日には収容者が痛い痛いと言っているのに、職員は静かにしろと言ったということでありますが、激痛で苦しんでいるにもかかわらずなぜ救急車を呼ばなかったのかと理解に苦しみます。

収容所個室のモニターでくも膜下出血と判断するのは難しいという医師の指摘もありますが、再発防止のためにこの事件の真相の徹底究明が必要だと考えますが、いつ頃調査結果が出るのか、お伺いいたします。

政府参考人(和田雅樹君)

ただいま委員から御指摘のございました事案についてでございますが、容体の異変を認めました後、直ちに救命措置をとるなどし、救急搬送するなどの措置をとったところでございますが、そこに至るまでの処遇上の対応などの一連の経緯について、現在、御指摘のあったとおり、調査を進めているところでございます。

調査に当たりましては、医学的知見に基づいた専門家の意見をお伺いするといったようなことも検討しておりまして、現時点においてはお尋ねの調査結果の出る時期ということを明言することはできませんが、重要な案件であるということは入管局としても認識しておりますので、できるだけ速やかに進めていく所存でございます。

糸数慶子君

入管センターでの死亡事故はこれまで度々報告されております。

四月から常勤の医師が勤務されているということですが、医師だけではなく医療スタッフの充実や収容所内でのビデオカメラの設置状況が適切かどうかの見直しなど、再発防止のために体制の見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

ただいま委員から御指摘ございましたように、医療関係、大変苦しいところがございます。

現在、先ほどの事案につきましては調査しているところでございますので、その検証結果も踏まえまして、今後とも被収容者の人権を尊重しつつ適正な処遇が行うことができるよう、必要に応じて所要の医療体制の確保に努めてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

時間でございますので終わりますけれども、調査結果が出たら改めてまたお伺いしたいと思います。

以上で終わります。ありがとうございました。