国政報告

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成人年齢の18歳引下げの民法改正案、牛久入管センターでの死亡事件、入管法および入管特例法

第193回国会 2017年4月13日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

三月九日の法務委員会で、成人年齢の十八歳引下げの民法改正案の審議が見送りになるのではないかという報道があり、事実かどうかお尋ねしたところ、金田大臣は、「法案に係る課題が非常に密集しているというんでしょうか、たくさんございます。」、「法務省としては適切な時期に民法改正案を提出する考えであります。」と答弁されました。この適切な時期ですが、それは一日も早くではないでしょうか。

国連は、十八歳未満の婚姻を児童婚と指摘し、婚姻最低年齢の引上げを求めております。法制審議会も二十一年前の九六年に、男女とも十八歳とするよう答申しています。婚姻年齢については与野党とも異論がないはずですが、なぜ後回しにされるのでしょうか。改めて、今国会で提出するつもりがあるかどうか、金田大臣にお伺いいたします。

国務大臣(金田勝年君)

糸数委員の御指摘でございます。

成年年齢を十八歳に引き下げる内容の民法改正案につきましては、これまでも、早ければ今国会に提出することも一つの選択肢であると述べてきたものでございます。

現在もこうした状況には変わりはないのでありまして、いずれにしましても、三月九日の参議院法務委員会で答弁いたしましたとおり、法務省としては、現下の法務省の所掌事務全体を見渡しておる中で、今、法案に係る課題が非常に密集しているというんでしょうか、そういう状況にある中で、法務省としては適切な時期に民法改正案を提出する考えでありますというふうに申し上げてまいりました。そういう状況と思いには変わりが現時点でありません。

糸数慶子君

性犯罪の厳罰化の先送りもそうですが、被害を受けた女性や子供の人権に関わる法改正を先送りするということは、人権を所管する法務大臣、法務省として非常に問題であるということを申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。

四月六日の委員会で、牛久の入管センターで、三月二十五日、ベトナム人男性がくも膜下出血で亡くなった事件について質問いたしました。これはまだ調査中ということでございますが、詳細は明らかにできないと思いますが、一点だけ伺います。男性の死亡推定時刻は何時何分でしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

先生から御指摘ございましたように、現在この事案につきましては調査中でございますので、調査の中身に関わる事柄につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

糸数慶子君

調査中、つまり分からないということでしょうか。

関係団体によりますと、亡くなってからかなり時間が経過したということを伺っております。六日のこの委員会で、容体の異変を認めた後、直ちに救命措置をとるなどして救急搬送するなどの措置をとったところでございますと答弁がございました。既に死後硬直していたのであれば対応にも問題があったのではないかと思いますが、いずれにしても、この問題は改めて調査結果を伺って質問したいと思います。

次に、入管法と入管特例法について質問いたします。

この更新通知の継続についてでありますが、特別永住者証明書や在留カードは十六歳の子供にもこの更新義務が課されています。これらの前身である外国人登録証明書が使用されていた二〇一二年七月九日の新制度施行前では、その原票を有していた各市区町村から更新申請義務期間を迎える当事者に対してその旨が通知されました。

ところが、二〇一二年七月の制度改正に伴いその原票を回収した法務省は、新制度移行後二年以上もの間通知をしていなかったと伺っています。その結果、失念等により、十六歳になった子供を始め、相当数の更新義務者が更新義務期間内に更新していなかったということが分かりました。これは、現行法においても一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金、これ入管法第七十一条の二、入管特例法第三十一条ですが、という刑事罰の対象者となるわけです。

法務省は、二〇一四年九月から特別永住者と永住者に対しては更新通知を始めましたが、これについては、従来各市区町村が行ってきたように今後も永続的に行うべきものと考えますが、いかがでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

入国管理局におきまして現在の取扱いでございますが、外国人登録証明書から在留カード及び特別永住者証明書への切替え申請を促すために、平成二十六年九月十日から、切替え時期が到来する永住者又は特別永住者の方に対しまして毎月はがきの郵送による個別通知を実施しているところでございます。現在、入国管理局から個別通知の対象といたしておりますのは、十六歳の誕生日を迎える永住者及び特別永住者の方、十六歳以上の方でみなし特別永住者証明書とされる外国人登録証明書の有効期限を迎える特別永住者の方でございます。

そこで、今後、その更新についてでございますが、特別永住者証明書や在留カードの有効期限は七年でございます。平成二十四年の改正入管法施行後に有効期間満了に至った方は、いまだ七年ですのでいらっしゃいませんので、既に切替えを済ませた方についての更新のお知らせということを行うという状況に今はなっておりません。今後、この更新のお知らせを個別に行っていくかどうかにつきましては、対象となられる方の数でありますとか更新の実施状況などを見ながら考えていきたいというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

当事者の利便の増進、そういう観点から是非とも検討していただきたいというふうに思います。

次に、十六歳の更新期の申請義務者と罰則適用者についてお伺いをしたいと思います。

これ、現行法では十六歳の誕生日の六か月前からとなっている申請義務期間のうち、その最終日である誕生日の前日までは同居している父母などが申請義務者で、最終日だけが本人が義務申請者となるわけです。一方、法務省は、申請義務期間を過ぎてしまった場合の刑事罰を受ける対象者は本人であると説明をされているというふうに伺っておりますが、これは事実でしょうか。もし事実であるなら、刑事罰の対象となるのは、その本人が申請義務期間の最後の一日で刑事罰の対象となることになり、これは明らかに問題だと思いますが、併せてお答えいただきたいと思います。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

御指摘のありました法律のとおり、有効期間の満了が十六歳の誕生日までとなっている方の有効期間の更新の申請は、十六歳の誕生日の六か月前から誕生日までの間に行う必要があるというふうに定められております。

申請しようとする者が十六歳に満たない場合には同居の親族がこれに代わってしなければならないと規定されており、本人が申請できるというのは十六歳の誕生日のみとなっておるところでございます。そして、十六歳の誕生日までに特別永住者証明書の有効期間の更新申請が行われなかった場合には、入管特例法第三十一条一項二号違反に該当するということになっております。

十六歳の誕生日が有効期間の満了日となっている特別永住者証明書の関係で、今御指摘ございましたが、この有効期間を見直すことに関しましては、各方面からそうすべきであるというような御意見もいただいているところでございまして、当局におきましては、平成二十一年改正入管法の施行状況の把握及び検証を現在行っているところでございますので、今御指摘のあった点についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

つまり、この件に関しては前向きに検討していただけるということですね。

政府参考人(和田雅樹君)

ただいま申し上げましたとおり、平成二十一年改正入管法の検証の中で検討していきたいというふうに考えております。

糸数慶子君

具体的に御答弁ございました。是非とも早急に見直していただきますように、よろしくお願いをしたいと思います。

次に、申請義務者の規定の問題解消に向け、例えば、本人が申請義務者となる年齢を十五歳六か月を過ぎた者というような引下げは、より年少となる子供に負担を強いることになり、権利擁護の観点からも問題ではないかというふうに考えます。

一九九四年に日本が批准した子どもの権利条約では、第一条で十八歳未満を子供と規定し、その第二条第二項では、締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念、あらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するための全ての適当な措置をとると規定しています。また、現行民法では、成年年齢を二十歳とし、二十歳未満を少年としております。

ほとんどの子供が高校に通う状況下で、十六歳の誕生日に授業を休んで申請に行かなければならないような制度は、これは健全な育成を期した少年法の理念とは相入れないのではないかというふうに思います。

例えば、その初回の更新義務年齢を十六歳よりも引き上げ、高等学校卒業程度の十八歳時にするということも一つの方法として検討していただければというふうに思いますが、これについて法務省はいかがお考えでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

現行の在留管理制度が導入される前の外国人登録制度におきましては、外国人登録証明書の常時携帯義務を課すべき者の範囲を検討した結果、独立して社会生活を営むということに着目いたしまして十六歳という年齢を基準として採用したという、こういう経緯がございます。その後、この点につきまして運用面で問題がなかったということから、在留カードの有効期間も十六歳としたものでございます。

十六歳を基準として在留カードの有効期間の更新を行うという現行の運用に特段の問題はないものと考えておりますが、委員からの御指摘は一つの御提案として受け止めさせていただきたいというふうに思っております。

糸数慶子君

前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。子供たちのためにも是非御一考いただきますように、改めてお願いをしたいと思います。

次に、入管法と入管特例法の附則第六十一条には、施行後三年を目途として必要な措置を講ずると定められています。この問題への対処はまさに必要な措置であるというふうに思いますが、どのようなスケジュールでお考えでしょうか、お伺いをしたいと思います。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

平成二十一年に改正されました現在の在留管理制度につきましては、施行から四年九か月が経過し、おおむね順調に業務が執り行われているものというふうに認識しているところでございますが、御指摘の規定等に関しまして現在各方面から御意見や御要望もあるところでございますので、こういった点も踏まえまして、施行状況の把握及び検証を鋭意行っているところでございます。

糸数慶子君

ありがとうございました。

入管法とそれから入管特例法に関わる質問をさせていただきましたけれども、かなり前向きな御答弁で検討していただくということもございましたので、期待をいたしまして引き続き注視をしていきたいと思います。

ありがとうございました。