国政報告

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民法(債権) ※参考人質疑

第193回国会 2017年5月11日 法務委員会

<午前>

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、改正項目について三人の参考人の方にお伺いしたいと思います。

大変示唆に富む貴重な御意見をいただきながら聞いておりますと、今回の債権法改正では約二百項目が改正対象になっておりますが、法制審議会民法部会が二〇一一年四月十二日に決定をいたしました中間的な論点整理では五百以上の項目がありました。

ただ、今回改正対象とならなかった項目について、改正対象とすべきであったと思われる項目はあるでしょうか、またどのように改正すべきとお考えになっているでしょうか、山野目参考人からお伺いしたいと思います。

参考人(山野目章夫君)

非常に重要なお尋ねをいただきまして、お答えとして申し上げたいことは実はたくさんございます。何かリストにしてお配りしたいくらいの気持ちを抱いておりますけれども、本日ここでの審議の中で、あるいは本日までのこの委員会において話題になることも多くていらっしゃるこの個人保証の問題に関して、本日、私のほかのお二人の参考人もおっしゃったところでありますから申し上げるとさせていただきますと、やはり先ほど辰巳参考人もお話しになっていましたけれども、今回お出ししている法律案の中に個人保証の入口のところで公正証書を作ってコントロールしようという入口コントロールは入っていますけれども、しかし、辰巳参考人がおっしゃったように、入口だけだとどうしても入口が擦り抜けられてしまって、保証はせざるを得ないという状況に置かれる方々がいます。

それはそれでどうしても残るんだと思うんですけれども、その方々が、言わば出口に対するコントロールといいますか、どうしても保証人としての責任を負わざるを得なくなったときに、それはもう身ぐるみを剥ぐまで額面どおり保証人としての責任を負わなければいけないんですかということについては、そこもやはり出口のコントロールは必要だというふうに考えます。

法制審議会の調査審議の中でも、この出口のコントロールのための幾つかの案が何回か話題になりましたけれども、法制技術的に必ずしもうまくいかない部分があったり、委員、幹事のコンセンサスを得ることが難しかったりして見送られましたけれども、しかし、個人保証というこの漢字四文字をキーワードにした問題の議論というのは、私はまさに今回のこの国会で始まるんだというふうに考えております。今般の法律案の後も、政府において引き続き新しい制度の運用実態を見て必要な見直しを適時に考えていただきたいと思いますし、両議院においても見守っていただきたいというふうに考えるものでございます。

参考人(辰巳裕規君)

まず保証以外のところでちょっと若干だけ指摘させていただきますと、情報提供義務、これは保証契約においては今般導入されましたけれども、契約一般においてもやはり情報提供義務というものをどう考えるかというのは、法制審では議論はされたんですけれども結局見送りになっているところですので、これについてやはり今後も議論が必要であろう。

それから、錯誤について、相手方が動機の錯誤をわざと呼び起こしたような場合について、これも議論されて立案の手前まで来たという認識がありましたけれども、見送られている。これについてもやはり必要なのではないかというふうに思っております。

保証のところは、今、山野目先生、参考人からありましたとおり、過大な保証をどう制限するのか。貸主は、金融機関はプロでして、借主の審査をしてそれに応じた利息も設定をする、あるいは信用保証協会とか保証機関もちゃんと審査をして、保証するかどうか、あるいは保証料も決める。ところが、そういったプロの金融機関が、最後にその全てを個人の素人の、しかも一銭もお金ももらっていない保証人に全部押し付ける結果となったときに、全部押し付けていいのか。一定程度のその責任分配というかリスク分配というものが図れる制度というものが要る。それが責任制限という形なのか、保証人に特化した債務整理手続なのかは別として、引き続き検討していく必要があるのかなというふうに思います。

参考人(山本健司君)

御質問いただきましてありがとうございます。

法制審議会では、種々の立場、意見をお持ちの委員、幹事の方々が議論された結果、コンセンサスが形成されて、現在の民法改正法案に至っているというふうに思われます。種々の立場に立つ方々が、そのよって立つ立場から、あれがあればよかったというふうに思われる項目は異なってくるのかなというふうには思います。

私は、先ほどから申し上げておりますとおり、消費者保護という立場から意見を述べておりましたので、そのような立場からの意見ということを前置きさせていただいた上で、あれがあればよかったかなと思われる規定というのは、本日配付させていただいておりますレジュメの二ページの上の方の図の左側、これがあれば被害救済に資するなというふうに思って立法に向けて働きかけをしていた諸論点、具体的には暴利行為、今も出ました情報提供義務、説明義務、不実表示。あと、六番のところですけど、継続的契約や役務提供契約に関する一連の民事ルールの制定。あと、抗弁接続。これは、商品販売契約とかサービス契約を取り消したときに、その代金を与信業者に出してもらっているときにその与信債務の返済をどこまで拒めるかということで、割賦販売法の抗弁接続を一般法化するような規定の是非や要件について議論された論点なんですけれども、その辺りの論点とかについて、あと格差契約に関する解釈規定などが議論されている中で、立法されたら消費者保護、救済に有益なのになと思っていた項目でございます。

以上です。

糸数慶子君

ありがとうございました。

次に、消費者概念の民法典への導入について辰巳参考人に伺います。

消費者概念の民法典への導入について、法務省は、民法は私法の一般法であり、消費者の保護を目的とするその規定は特別法である消費者契約法などによるべきであるとして、消費者概念を民法に取り入れることはしなかったと答弁をしています。消費者概念の民法典への導入について辰巳参考人はどうお考えでしょうか。

参考人(辰巳裕規君)

山本参考人の方がお詳しいところかもしれませんけれども、私の感じるところでございますけれども、一方では、これだけ消費者取引が身近にある、誰もが消費者取引を日々行っているという中で、民法が消費者というものを取り上げないということ自体が現代化にとって不自然なところがある。これは、民法においても消費者というものをどんどん取り入れていくべきだという発想がある。

ところが、一方で、消費者概念を取り入れてしまうと、百二十年間改正がなかった民法、あるいは社会の基盤としてそう軽々には変えられない民法において、いろいろ消費者被害とか発生したときに迅速に法改正をしないといけない消費者問題について、逆に法改正の機動性が失われるという議論があり、消費者問題に取り組む弁護士も本当に悩んだところのテーマであります。

しかし、一般的に認められてきた消費者ルールについては民法の中に入ってきてもいいのではないか。あるいは、それは消費者を代表とする契約弱者というものを取り込んでいくことは可能なのではないか。しかし、もっと個別のいろいろな消費者被害については特別法で手当てをしていくという役割分担ということも一つの作り方としてはある。一方で、消費者契約法という法律がありますので、これをどんどん充実させていくということも併せて両輪として必要じゃないかというふうに思います。

糸数慶子君

ありがとうございました。

次に、法定利率について山本参考人にお伺いをいたします。

法定利率が五%から三%に引き下げられましたが、現在のこの低金利下ではまだ高いように思われます。法務省は、預金金利ではなく貸出金利を参照すべきこと、そして、遅延損害金が低くなり過ぎると債務不履行を助長しかねないこと、今まで百二十年間、五%で実務を行ってきたこととのバランス等の事情を考慮したとのことですが、改正後の法定利率が三%であることをどう思われるのでしょうか。

参考人(山本健司君)

御質問いただきましてありがとうございます。

法定金利というのは、貸金のときの約定金利に使われる局面と、あと債務不履行のときの遅延損害金の算定、約定がない場合に適用されるという二局面で適用されると思います。その点、約定金利の点で考えたときには、高いという評価はあり得るところかも分かりません。しかしながら、遅延損害金レートというのを考えたときには、例えば一般的なBツーCの契約でもBツーBの契約でも、現在の実務上は遅延損害金レートは一四%が多いんじゃないかなというふうに思います。したがって、それとの対比で考えた場合に、遅延損害金の法定の金利が三%というのは必ずしも高いものではないというふうに思います。

むしろ、貸出金のときのような約定金利と債務不履行のときの遅延損害金を分けてもいいぐらいだったんじゃないかなというふうに思います。それを共通で、今までどおり二つの場合に適用されるレートとして考えるときには、三%というのは一つの考えられる選択肢だったのかなというふうに思います。

むしろ、五%から三%に法定金利が下がったことを踏まえて、今実務で行われているような、一四%までの約定金利は許されるというふうな方を併せて下げる必要があるんじゃないかと。消費者契約法でも一四・六%ぐらいの金利は、遅延損害金利率認められていますけれども、それを併せて下げる方向で検討する必要があるんじゃないかなというふうに思います。

以上です。

糸数慶子君

次に、中間利息、この控除について辰巳参考人に伺います。

中間利息控除は用いる利率が低いほど被害者保護になるため法定利率より低い利率とすべきであるという考えについて、法務省は、中間利息控除の利率だけを違う利率にするのは不均衡であるとして否定する答弁をしていますが、中間利息控除の利率についてどのようにお考えでしょうか。

参考人(辰巳裕規君)

御質問ありがとうございます。

まず、最高裁判例で法定利率と中間利息控除率を一緒にするというのが大前提になってしまうとそういう理論、理屈になってくるのかなと思いますが、果たして本当にそうなのかというところはもう一回考えてもよいと思います。

中間利息控除の問題は、先ほど損害賠償法の今後についてという話も少しさせていただきましたが、被害に遭った方の適正な賠償をどう見るかというところから導かれるものであります。一方で、法定利息というものは、あくまでいろいろな取引において実勢を見て約定がない際にはこの金利にするというものですので、必ずしも同じ観点から出てくるものではない。

もちろん、被害に遭われた方が今後逸失したものを算出する、それを現在価値に割り戻す際には今のレートというもので考えるのだということですが、そうするとやはり三%でも今の低金利下ではどうなんだろうかという問題も出てくるかもしれませんので、損害賠償として適正なものを保障する、そのためには今回の中間利息控除とその引下げというところになるのは非常に良いことだというふうに思いますが、そのことと法定利息、多くは約定で、貸付けの際は高い利息が決められ、預金については非常に低い金利が決められているのが実情ですので、そこは必ずしも同一にする必要はなく、分けて考えてもいいのではないかというふうには感じております。

糸数慶子君

以上でちょっと終わりたいと思いますが、また午後の審議に回したいと思います。

ありがとうございました。

<午後>

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

参考人の皆様には示唆に富む貴重な御意見をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。

午前中の参考人質疑でも伺いましたけれども、まず改正項目について高須参考人、山田参考人に伺います。

今回の債権法改正では約二百項目が改正対象となっていますが、法制審議会民法部会で二〇一一年四月十二日に決定いたしました中間的な論点整理では五百以上の項目がありました。

今回改正対象とならなかった項目について、改正対象とすべきであったと思われる項目はあるでしょうか、またどのように改正すべきとお考えでしょうか、お伺いいたします。各参考人にまずお伺いいたします。

参考人(高須順一君)

御質問ありがとうございます。

御指摘のとおりでございまして、中間論点整理という段階まで、いろんな改正すべき項目かどうかということで議論を重ねてまいったときには、一応五百を超える項目がございました。それが、その後の改正の審議の中で二百項目ぐらいになっていった。その中には、もちろん改正の必要なしという結論になっていったというものもございます。ただ、全てがそうかというと決してそうではございませんで、結局、その改正の必要性を認めつつも、どういう方向で改正したらいいのか、具体的な改正の中身の問題で意見の一致を見ることができなかったというものも相当数ございます。

その中で幾つか、もし私の今考えている、記憶している限りの中で御説明させていただけるとなると、一つは、先ほど消費者契約法との兼ね合いというところでも少し御説明させていただいたのですが、いわゆる悪徳商法みたいなものとの関係で、民法がどこまで頼りになる法律になるのかという観点があるのかと思います。

現在、消費者契約法ですとかほかの法律によって救済の一定の規定が図られているわけですが、民法自体がしっかりしなければならないのではないか。従前ですと、錯誤とか詐欺とか、これに当たらないと、なかなか民法上、契約を無効にするとか取消しにするということができなかったわけですが、もう少しその辺りを民法の意思表示の規定のところで取り入れることはできないのか。詐欺とまでは言えなくても、やっぱりきちんとした説明を受けていないよねということで契約を無効にできるような制度、あるいは取消しできるような制度、これも実は途中まで議論したわけですが、そんなことを盛り込まれるようになればよりよろしいのかなと、一つ思っております。

二つ目は、先ほども、むしろ委員の方からも出ておるのですが、暴利行為ですね。公序良俗規定のより具体化というようなこともあるところまでは議論したのですが、何が暴利行為なのかというところでの意見の一致を見ることがなかなかできない状況にございました。

一つには、現時点で暴利行為の中身が分かっていないですよという意見。それから、更に言うと、将来的にどうなるかが分かりませんよという意見もございまして、例えば裁判規範として考える場合には、余り見切り発車で要件を立ててしまうと、かえって判例を作りにくくなりますというような議論もございまして、要するに煮詰まっていないということでやはり見送られたという経緯がございます。この辺りのところは更に議論を重ねて、本来であれば御提示できるような内容にできたらよかったのかなと思っております。

以上でございます。

糸数慶子君

山田参考人、お願いいたします。

参考人(山田茂樹君)

御質問ありがとうございます。

そうしますと、今回のその御検討、検討いただきたかった点につきまして、そうですね、三点ほど申し上げたいと思います。

まず一点目ですが、民法ができた頃と比べて、まず大きな現代社会の違いというのは、やはり取引の複雑化、多様化、ある意味分業化ということでございます。すなわち、実際、表面上、一対一の契約のように見えても、実は複数当事者の複数の契約が絡み合って一つのサービスを形成しているとか、そのようなものが多々ございます。

そのような意味で、当初の議論の中で、異なる当事者の複数契約について、一方で何かトラブルが発生した場合についてどうするのかということで、複数契約の無効ですとか複数契約の解除、あるいは先ほど最初の意見陳述の際に述べさせていただいた抗弁の接続規定等々、異なる当事者間の複数契約が存在するという現状を踏まえた対応というものが民法典の、民法の中にあるといいのではないかというふうにまず一点目は思ってございます。

それから、二点目も、先ほどの意見陳述の際に申し上げた小規模事業者等の件でございますが、要は、その実際の一般の今の私たち、私人間の取引、社会というのはいろんな格差があるプレーヤーが存在するということになっていまして、じゃ、民法の中で、その格差ゆえに生じたトラブル等をどう解決できるのかという意味におきましては、最終的に、よく最後困ると信義則で、いろいろ信義則上、例えば情報提供義務があるとかいろいろやっていく中で、その信義則というものを用いてやっていくときにも、格差というものが存在するというところが一つのてこになるんですよというような解釈理念というんですかね、原則みたいなものが信義則の中にもし盛り込めるのであれば、それはそれでよかったのかなというふうに思っております。これが二点目でございます。

最後、三点目ですが、高須先生の方の御意見とも重複しますが、実際、いわゆる悪質な契約トラブルを見ておりますと、だましていないし脅していない、だけど、ある意味正常な判断能力、判断することができない状況で何か契約をしてしまったというマインドコントロール的な事案ですとか、いわゆる恋人商法的なものというのはございます。その意味で、やっぱりそれが、意思形成がそこは健全であったかというと健全ではない、ある意味瑕疵ある意思表示ということになるわけでして、その意味においては、ある意味錯誤や詐欺、それから強迫ではないさらに別概念で、やはり意思形成に問題がある取引についても何らかの民事的な手当てというものも検討されてもよかったのではないかなというふうに思います。

以上でございます。

糸数慶子君

鳥畑参考人にお伺いいたします。本法律案の提出理由の一つでありますが、国民一般に分かりやすいものとするということについてお伺いをしたいと思います。

今回のこの改正によって民法が国民一般に分かりやすいものになったと言えるでしょうか。言えると思いますか。

参考人(鳥畑与一君)

御質問ありがとうございました。

今回は非常に急な参考人質疑ということで、民法の法案、実は目を通す余裕、債務者保証の部分だけを中心に検討させていただいたわけですが、やはり分かりにくいわけですね。例えば、主債務者が返済できなくなった事実を保証人がどう知るか、それが同時に債権者が知り得る立場にないと駄目みたいな、そういう説明があると、これは私もよく分からないということで、以前に比べては分かりやすくなったのかもしれませんが、国民一般に分かりやすくなったかと言われると、やはりそれはまだ難しいままじゃないかなというのは率直な思いです。

以上です。

糸数慶子君

山田参考人にお伺いいたします。

消費者概念のこの民法典への導入について、法務省は、民法は私法の一般法であり、消費者の保護を目的とする規定は特別法である消費者契約法などによるべきであるというふうに言っております。消費者概念を民法に取り入れることはしなかったというふうに答弁しておりますが、消費者概念の民法典への導入について、山田参考人はどうお考えでしょうか。

参考人(山田茂樹君)

御質問ありがとうございます。

日本の法律におきましては、特別法で、今現在、消費者契約につきまして、消費者につきましては消費者契約法という法律があるところでございまして、その意味において、消費者概念については少なからず、ある意味、消費者契約法という特別法だからこそ消費者保護に資するような改正等に踏み切れるという面に関しては私はメリットだと思っておりまして、消費者概念を民法典に取り込まなかったこと自体については、その意味では何か批判的に考えるところではございません。

ただ、これは先ほど来申し上げていて、若干質問のもしかしたら回答からそれるのかもしれないのですが、いわゆる格差があるのは消費者と事業者という、そういうステレオタイプな事案だけではないですよというところからすると、そういう非対称性という概念というものは民法典の方で持ち込むということはあるのかなというふうに考えてございます。

以上でございます。

糸数慶子君

引き続き山田参考人にお伺いいたします。

法定利率ですが、この法定利率が五%から三%に引き下げられました。法務省は、預金金利ではなく貸出金利を参照すべきこと、そして遅延損害金が低くなり過ぎると債務不履行を助長しかねないこと、今まで百二十年間、五%で実務を行ってきたこととのバランス等の事情を考慮したということなんですが、これについてどう思われるかということ一点と、法定利率に変動制が導入されたことについても併せてお伺いしたいと思います。

条文上の法定利率は三%のままであり、ここから変動したとしても、条文上は変動後の利率は分かりません。法務省は、変動後の利率を民法中に規定するのは困難であると答弁していますが、現在の利率が条文上明記されず、またどこで知ることができるかさえ規定されていないことは適当だと思われるでしょうか。併せて二点お伺いいたします。

参考人(山田茂樹君)

御質問ありがとうございます。

まず、利率の妥当性につきましては見識を持ち合わせておりませんので、済みません、回答はちょっと留保させていただきます。

そうすると、残りの二点ですが、変動制を取り入れることにつきましては、やはり実情等々ございまして、そこは私は、例えば頻繁に毎月変えるとかという話でなければ法的な安定性を損なうものでもありませんし、ある意味、実情に照らして妥当な結論になると思いますので、こちらは私としては賛成をしております。

その利息の、利率の変動の方法の公示方法等ですが、これは、つまるところ、いわゆる公表、いかにして知らせるかというところかと思いますね。この辺りは様々な方法で、今現在、インターネットも含めて様々な媒体普及してございますので、こちらは努力でいろいろできるのかなというふうに考えてございます。

以上でございます。

糸数慶子君

もう一点ですが、山田参考人に伺います。

消滅時効についてですが、この時効の原則が今までの客観的起算点より不明確な主観的起算点となったことについて、法務省は大方の賛同が得られたというふうにしておりますが、問題はないでしょうか。

参考人(山田茂樹君)

御質問ありがとうございます。

こちらについても、いろいろと検討したことはございますが、今回の主観的起算点を取り入れることについて、あと、期間の年数においても、こちらとしても特にこの五年という数字自体については何か問題であるというふうには考えてございません。

以上です。

糸数慶子君

最後に、保証について鳥畑参考人に伺います。

保証意思宣明公正証書を作成した後、そのまま執行認諾文言付公正証書が作成される可能性について、法務省は、現在でもこの問題の発生を防止する仕組みがあり、今回のこの改正によって更に問題が発生しにくくなると答弁しておりますが、実際に執行認諾文言付公正証書が作成される心配はないと考えてよいのでしょうか、お伺いいたします。

参考人(鳥畑与一君)

御質問ありがとうございました。

ただ、それについて私、回答能力ございませんので、御勘弁いただければと思います。申し訳ございません。

糸数慶子君

それでは、高須参考人はいかがでしょうか。

参考人(高須順一君)

三十年弁護士をやらせていただいておりますので、その間いろんなことがありました。保証をめぐるやはりいろんなトラブルということも実際に担当させていただいたりしております。その意味で、今委員御指摘の心配が全くないのかと言われれば、そんなことはないのだろう、この問題は本当に腰を据えてしっかり見据えて考えていかねばならない問題だと思っております。

ただ、今回の改正の中で一点、先ほど、最初の十五分いただいたときに御説明させていただいたのですが、今回の条文の趣旨は、熟慮する権利、よく考える権利を公証人との対話を通じて実現しようという趣旨でございますから、直後に、例えばそのまま本来の公正証書を作ってしまうということになると、果たして熟慮する機会がきちんと与えられたのだろうかと、こういう観点から新たに考えるという余地があるのではないか。そうすると、そこを一つの切り口として、今後、実務の問題として更に進めるような、今回の改正を更に進めるようなことが可能になってくるのではないか、まだ試み段階ではありますが、そんなことを考えていかねばならないのではないかと思っております。

以上でございます。

糸数慶子君

ありがとうございました。終わります。