国政報告

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出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案、外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案について ※参考人質疑

第197回臨時国会 2018年12月5日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

参考人の皆様には、貴重なお話をお伺いすることができまして、大変感謝申し上げます。

私は、移住連の高谷参考人にまずお伺いしたいと思います。

技能実習生が抱える問題に様々に今まで取り組んでこられておりますが、この実態を一番御存じの移住連の高谷参考人には、率直に本法案の具体的な課題を改めてお伺いをしたいと思います。

参考人(高谷幸君)

問題点は多岐にわたるのですが、やはり技能実習制度との関係ということで申し上げますと、技能実習制度と特定技能の一号がかなり連続した制度になっているというところに根本的に制度設計として問題があるのではないかと考えております。それは、先ほど言いましたように、職種もほぼ移行が認められていますし、恐らく現状では監理団体を担っているところが登録支援機関になると。

そうしますと、一つの企業で考えてみますと、一つの職場で考えてみますと、技能実習生もいれば特定技能一号の方もいるという形の職場が増えていくんだろうと思います。そのときに、技能実習生と特定技能は違うんだといっても、その監理団体あるいは企業の方が、この方は技能実習生、この方は特定技能という方で対応を変えるのか。三年あるいは五年、技能実習生が終わった方が特定技能になった場合に、じゃ、あしたから特定技能だからこう変えますというふうには絶対ならないと思うんですね。

そういう意味での連続性、一つの企業を取っても連続性ということで、ほぼ同じ、ほぼ十年間の技能実習制度のような形に実質的には機能してしまうんじゃないかなと考えております。

糸数慶子君

続きまして、斉藤参考人に伺います。

斉藤参考人はベトナムの技能実習生問題の専門でいらっしゃいますが、韓国の外国人受入れについてもお詳しいと仄聞をしております。韓国の制度で日本の制度に反映させる一番のポイント、何でしょうか、伺います。

参考人(斉藤善久君)

これはもう端的に、民間人材ビジネスの介在を排除している点です。

糸数慶子君

報道でも大きく報じられておりますけれども、現在の技能実習生の約七割が最低賃金を下回っていたということが一昨日の野党の七会派の聴取票の集計で明らかになりました。さらに、労働法に違反するひどい事例が次々に明らかになっております。

そこで、三人の参考人にそれぞれ伺いますが、このような我が国の社会の在り方を大きく変えようとするそういう法案がこのまま成立した場合、今後どのような問題が出てくるのか、あるいはその懸念などがありましたら、まず多賀谷参考人から、高谷参考人、斉藤参考人と、お三方にお伺いしたいと思います。

参考人(多賀谷一照君)

技能実習制度が本来の技能実習から逸脱的に利用されてきて、おっしゃるように、低賃金とかそういう状況であったのは否定し難いところであります。その根本は、先ほど斉藤さんがおっしゃったように、間に複数のブローカー的存在、送り出しのところと、それから監理団体のところと、それぞれが本来は技能実習生に払われるべきお金を何割かあらかじめ抜き取って、したがって最低賃金以下のお金しか払われなかったという、そういう実態があると思うんですね。

それで、新しい法律はそれを取っ払うと。要するに、そういうブローカー的な、営利目的のブローカー的な存在をできるだけなくすことによって、その意味において普通の労働関係のような形で改善するという、そういうもくろみがあるんだと思います。

ただし、確かに、ほかの参考人がおっしゃるように、その場合に、じゃ、本当に雇用主と非雇用主、雇用主と労働者との関係になって、日本のように労働関係として、日本人同士の関係のようにうまくいくかというのは、確かにそれは懸念があるところでありまして、その点については、確かに高谷参考人がおっしゃるように、具体的に省令レベルになると、やはりそれは厚生労働省の、労働関係についての厚生労働省とも協力を得ざるを得ないんだろうと思います。そういう形でうまくいけば今みたいな状態は避けられるだろうけれども、運用がうまくいかなくて更なる修正を必要とするかもしれないということだろうと思います。

参考人(高谷幸君)

私は、繰り返しになりますけど、やはりその特定技能一号は技能実習制度とほぼ同じような形の立て付けになっていますし、実質的にも連続した形で使われるという形が多くなると予測しておりますので、そうしますと、今、技能実習生の、何というか二倍とか、そういう形で技能実習生に依存している産業がよりますますそこに依存し、さらにその範囲も広がるという形になるのではないかなと考えております。

参考人(斉藤善久君)

私は、この制度案は、問題の多い技能実習制度をこの特定技能の予備校的な扱いにしてそのまま固定化してしまう、そしてその悪いところを全部引き継ぐばかりか、さっき多賀谷先生おっしゃったこと、ちょっとおかしいと思ったんですが、建前上は、技能実習制度の中で監理団体は非営利団体、機関になっていますが、今度はこれを民間人材ビジネスにも解禁するというふうに読めると思います。それが非常に大きな問題だと思っています。

糸数慶子君

今それぞれ御意見伺いましたが、改めまして、多賀谷参考人にお伺いいたします。

修正が必要だということをおっしゃいましたけれども、具体的に。

参考人(多賀谷一照君)

今段階で修正が必要だとは言っておりません。要するに、これで制度をつくってみて、おっしゃるように、二年以内に改正する、二年以内、二年後には恐らくその間の運用を見て修正しなきゃいけないでしょうし、その前に省令レベルで、おっしゃったような危惧がないように、他省庁の、あるいは地方自治体の連携を受けていかに運用するかということで、この制度が生きるか死ぬかということ、生きるかうまく運用できるかというのに懸かってくると思います。

それで、今、斉藤参考人が、人材ビジネスが入ってくるんじゃないかと。私は、人材ビジネスが入るのはある意味で仕方がないところだと思う。その場合に、人材ビジネスが、要するに派遣、派遣とは限りませんけれども、人材ビジネスがそれなりにうまく機能すれば、それはそれで、要するに、外国人労働者を収奪的に使うんではなくて、それなりに仲介的なビジネスをしてやれば、それはそれで一つの在り方だろうと思います。

要するに、外国人労働者を、何といいますか、その人権を侵害するような形ではなくて、何らかの意味で間に入る存在がなければこんな仕組みはできるわけないわけですから、まあ地方自治体がやってもいいですし、それから、そういう大手の人材ビジネスが入るということはあり得るだろうと思います。それは私は否定しません。

糸数慶子君

改めて、ただいまの御意見に対して斉藤参考人の、もし補足といいますか、違うというその相違点というのがありましたら伺いたいと思います。

参考人(斉藤善久君)

多賀谷先生もお認めになったように、この制度は何らかのブローカーなり中間団体が入ってこないとうまく回らない制度だと思います。そこで、営利団体が入ってくるわけですから、必ず搾取が起こってくると思います。今よりも状況が悪くなる面もあると思います。

糸数慶子君

ただいまいろいろございましたけれども、賛成の立場に立っていらっしゃると先ほどおっしゃいました多賀谷参考人の方からもそういう御懸念が今ございました。ブローカー的な存在が、本当に外国人労働者のしっかりと人権を守るような状態で動くのかどうかというのも大変疑問があるわけですけれど。

それでは、改めまして、移住連の高谷参考人に伺います。これまで様々な問題点が御指摘されてきました。そして、多賀谷参考人もお話ございましたけれども、御指摘をいただいておりますけれども、今までの中で言い足りないことがもしございましたら、おっしゃっていただきたいと思います。

参考人(高谷幸君)

そうですね、言い足りないというか、ちょっと繰り返しになると思いますけれども、やはりこの特定技能一号というものが非常に今問題になっていると思いますけど、これがやはり今までの入管局が認めてきた就労資格とは異なる形で就労資格をつくろうとしている、そこにやはり一番の問題があるといいますか、それより更に何か下に位置付けられるような就労資格をつくろうとしているというところに問題があるんじゃないかなと思います。

元々の専門技術労働者に認めてきたような形でそもそも特定技能の就労資格もつくると、それが外国人労働者を受け入れるというのであれば、やはり筋ではないのかなというふうに考えております。

糸数慶子君

改めまして、同じ内容で斉藤参考人にも伺いたいと思います。

これまでいろいろ御指摘いただきましたけれども、言い足りないことがございましたら、お願いいたします。

参考人(斉藤善久君)

仁比先生にも指摘されたように、この制度に余り関わっていくとどんどん人間が悪くなっていくんですね。それは使用者の方もそうだと思います。人のいい田舎の中小企業のおじさんがどんどん悪いことを覚えていくんですね。どんどん悪くなってしまう。

この制度は、ちゃんと一回やめて根本から、どういうふうな外国人の労働者なり外国人の受入れを考えるのかということをもう一遍考え直した方がいいと思います。

糸数慶子君

終わります。