国政報告

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出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案、外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案について ※参考人質疑

第197回臨時国会 2018年12月6日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

私、先日の質問の中で幾つか答弁いただきましたので、それについて確認をしておきたいというふうに思います。

まず、先日の質問のその関連でありますが、政省令の策定プロセスについて伺いました。そのときの回答をまとめますと、三つのステップをもって法律が施行されるというふうに理解しております。すなわち、一点目にパブリックコメントなど必要な手続を行うということ、二点目に政省令を策定するということ、三点目に改正法施行前に政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告する、この三段階で御答弁いただきました。そのうちの一段階目のこのパブリックコメント、このことについてお伺いしたいと思います。

政省令の策定に当たってパブリックコメントを活用するとのことでありましたが、入管法改正に基づく政省令の策定に当たっては、全ての政省令においてパブリックコメントが行われるという理解でよろしいのでしょうか。

確認のため、大臣にお伺いいたします。

政府参考人(和田雅樹君)

手続に関するものなので、よろしゅうございますでしょうか。

行政手続法のこれは三十九条というところに規定がございます。その行政手続法三十九条によりますと、政省令を定めようとする場合には、原則としてパブリックコメントの手続を実施しなければならないと、このように規定されているところでございます。他方、ほかの法令の改廃に伴い当然必要とされる規定の整理など、軽微な事項については例外的にパブリックコメントの手続の対象とする必要がないと、このように定められております。

入管法の改正法案が成立いたしました場合には、関連する政省令の改正作業が必要となりますけれども、この立案作業の際には、この行政手続法三十九条の規定に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

糸数慶子君

では、政省令の策定に当たっては、提出意見の考慮や結果の公示は当然なされるということでよろしいでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

これも行政手続法の四十二条に規定があるところでございまして、四十二条で、政令を定めようとする場合は、パブリックコメントの手続において提出された意見を十分に考慮しなければならないと、こうされているところでございます。また、同じ行政手続法の四十三条一項に、パブリックコメントの手続の過程で提出された意見等については、原則として政省令の公布と同時期に公示しなければならないと、このように規定されております。

したがいまして、入管法の改正法案が成立いたしました場合には関連する政省令の改正作業が必要となりますけれども、その立案作業の際には、今申し上げましたような規定に基づいて適切に対応し、提出意見を考慮し、また結果の公示を行ってまいりたいと考えているところでございます。

糸数慶子君

では、技能実習制度の見直しについて伺います。

技能実習制度の見直しについてでありますが、技能実習制度の運用状況を検証するプロジェクトチームを設置したということですが、先ほど小川委員からの質問もございましたけれども、そのPTによる検証の過程はどうやって確認できるのでしょうか。今のところ、法務省のホームページにこのPTについての情報はないようですが、スケジュールやその結果は公表されるのですか。

政府参考人(和田雅樹君)

ただいま御指摘のございましたプロジェクトチームは、今回の聴取票の集計ミスがあったこともございまして、技能実習制度の適正な運用の在り方を検討するため、大臣から御指示をいただきまして、十一月十六日、大臣政務官をトップとする技能実習制度に関するプロジェクトチームとして設置されたものでございます。

これまでの経過でございますけれども、十一月十九日に第一回の検討会が開催されておりまして、昨日十二月五日に第四回の検討会が開催されております。今後のスケジュールにつきましてはプロジェクトチームにおいて決められることとなっておりますが、議事内容につきましては、速やかに議事要旨を作成いたしまして、今後、法務省のホームページで公開する予定であるというふうに聞いておるところでございます。また、このプロジェクトチームにおける検討の結果につきましても何らかの形で公表する予定と聞いているところでございます。

糸数慶子君

先ほどしっかりと公示をするということでありましたけれども、今本当に大事なこういうプロジェクトチームを設置したという割には、なかなかその検討した結果がなぜ速やかに公表されないのか、改めて伺います。

政府参考人(和田雅樹君)

きちんと公表するという予定だと聞いておるところでございまして、議事結果につきまして議事要領を取りまとめ次第、また適切に公表されるというふうに伺っているところでございます。

糸数慶子君

PTはあくまで法務省内に設置されるということで、その検証は独立性や公平性が疑われます。PTとは別の第三者的な機関によるこの検証の予定もあるのでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

今回の技能実習制度に関するプロジェクトチームは、政治家としても弁護士としても経験豊富な門山政務官に議長を務めていただいているところでございます。

このプロジェクトチームでは、外部からのヒアリング、これも予定しておりまして、また、先ほど申し上げましたとおり、議事予定でございますとか検討結果などについても外部に公表することを予定しておるところでございます。

もっとも、検討の方法でございますとか進め方について、プロジェクトチームにおいて決められることでございますけれども、今申し上げたような理由から御懸念には適切な対応が図られるものと考えているところでございます。

糸数慶子君

御答弁を伺っておりますと、やはりまだ何も決まっていないということなんでしょうか。そのような状態で新たな制度を見切り発車させてもいいのかどうか、大変疑問を感じます。

昨日、会合があったということですが、それでは政務官にお伺いいたします。昨日はどのような話合いがなされたのでしょうか、具体的にお示しください。

大臣政務官(門山宏哲君)

昨日行われたプロジェクトチームの第四回検討会におきましては、入国管理局から、山下法務大臣の命を受けて実施しておりました不適正な受入れ機関に関する調査について、現状の一部の報告を受けたところでございます。

これを踏まえて、同日、二十九年度分及び平成三十年度分の聴取票について、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く全ての実習実施機関に対する調査を平成三十一年三月末をめどに終了させることをめどとして実施すること、違法行為や不正行為が認められた実施機関に対しては、遅滞なく必要な対応を検討した上で必要な処分を行うとともに、調査結果等について公表、何らかの方法で公表することを決定し、その旨を山下大臣に御報告させていただいたわけでございます。さらに、聴取票の取り方、あるいは技能実習制度の適正な運用の在り方についてまた検討を、論点の更なる整理も含めて検討をしたというところでございます。

糸数慶子君

改めて振り返ってみたいと思いますけれども、今回のこの外国人材の受入れのことについて、まず、今年の二月に経済財政諮問会議において安倍首相による検討の指示に始まり、六月の経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、これが骨太の方針として方向付けられて、入管法及び法務省設置法改正案の骨子が公表されたのが十月十二日であり、最終的に十一月二日に閣議決定され、国会に上程されました。

しかし、この間、検討の結果は示されたものの、それに至るその検討の内容についてはほとんど明らかにされてきませんでした。これが国会でのその審議が始まって、いわゆる衆議院で費やされた時間は僅か十七時間のみでありました。

この間、それぞれの野党が、それぞれが調査票に向き合って頑張った結果、失踪した技能実習生に対するこの聴取データの計算、それについて、提示されたのに誤りがあるということが発覚したわけですが、そうした重要な問題に、今の御答弁を聞きますと、本当に真剣に向き合おうとしていらっしゃるのかどうかという、余りにもスピードの遅さ、先ほどPTをつくってきちんとやるとおっしゃった割には、その中身というのが本当にこういう私たちの求めていることに対してきちんと応えられていないのではないかということを改めて指摘をしてまいりたいと思います。せっかくできたPTがあるにもかかわらず、何のために、誰のためにそれが設置されたのか、そういう中身になっているような気がいたします。

次に、当事者の視点に立った制度設計の必要性についてお伺いしたいと思います。

まず、この入管法法案の第二条の五には特定技能雇用契約についての項目があり、特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関について、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者等の介在がないことを省令で明記すると、四日、大臣は私に答弁をされました。つまり、この省令に引っかかる受入れ企業は特定技能外国人を雇用することができないので、悪質な紹介業者などは排除されるとおっしゃいました。しかし、当事者の視点に立ってみますと、ある程度受入れ企業の話が進んでいる段階で、突然受入れ不可とされ、雇用先を失い、在留資格も交付されないという結果になるおそれがあります。その場合の救済措置、それについて法務省はお考えでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

改正入管法二条の五第三項及び第四項によりまして、特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関については、法務省令で定める基準に適合するものでなければならないというふうに規定しております。そして、その省令で定める基準といたしまして、御指摘のとおり、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者などの介在がないこと、こういったようなことを規定することを想定しております。したがいまして、在留資格認定証明書の交付申請において、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者の介在が判明した場合には受入れ機関が当該外国人を受け入れることは許されない結果になりますので、その外国の方の入国は認められないということになります。

そうなりますと、このような措置は、悪質な紹介業者の介在を防止する観点からこれはやむを得ないことだと考えておりますが、こうした事態を未然に防止するために、今回の受入れ制度におきましては、受け入れる特定技能一号外国人の方への支援の一環として入国前ガイダンス、これを実施することとしておりまして、具体的には、受入れ機関又は委託を受けた登録支援機関が、入国前に受け入れる予定の外国人の方に対して紹介業者等への保証金の徴収は違法であることなどを教示を行わなければならないということをしておるわけでございます。

こうした入国前の生活ガイダンスを通じるなどして、悪質な仲介業者の介在の防止に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

糸数慶子君

ところが、その外国人が既に紹介業者に保証金などを払っている場合、そのお金は戻ってくるのでしょうか。

政府参考人(和田雅樹君)

お答えいたします。

新たな受入れ制度におきまして、特定技能の在留資格に基づく活動に関連して、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理する行為は法務省令に違反するということになるわけでございます。そして、保証金等の名目で悪質な仲介業者に支払った金銭につきましては、基本的にはその外国人の方本人が当該業者と交渉して返還を求めていくことになると考えておるところでございます。

もっとも、こうした個人での返還交渉は困難であるということも予想されるところでございまして、そのため、本制度におきましては、受入れ機関又は登録支援機関が主体となって行う支援の一つとして入国前のガイダンスを実施することを予定しておりまして、このガイダンスの中でこれから入国しようとする外国人の方に対して保証金等の名目で金銭を支払うことは禁止されている旨を明確に説明し、保証金等の徴収を未然に防止するということを努めてまいりたいと考えておるところでございます。

糸数慶子君

私が聞いたことにはきちんとお答えしていらっしゃいません。余りにも無責任な回答だと思います。この新しい制度のせいで将来をめちゃくちゃにされる人が出てくるのではないか、そのような危機感を抱いてしまいます。

続いて、附則十八条二項では、二年後に制度の在り方について検討を加えるとされていますが、その検討に当たって、外国人の方も必要に応じて御意見を聞くということも考えられるところでございますと、四日の私の質疑に対して大臣がお答えいただきましたが、それならば、なぜ関係地方公共団体や関係事業者、地域住民といった関係者はこの法律に明記されていて、当事者である外国人は法律に明記されていないのか、この制度が誰のための制度なのか、はっきりここに表れていると思いますが、大臣、この見解、このことについての御見解を伺います。

国務大臣(山下貴司君)

お答えいたします。

委員御指摘の附則十八条第二項の趣旨でございますけれども、これにつきましては、特定技能の在留資格に係る制度の在り方の検討に当たっては、受入れ側、すなわち特定技能外国人を受け入れることとなる地域における意見も踏まえることが重要だということに着目した規定でございます。そして、この受け入れることとなる地域の関係者として、特に関係地方公共団体、関係事業者、地域住民を明記したものではございますけれども、法律にもその他の関係者の意見を踏まえてということを明記しておりまして、これは当事者である外国人の方から御意見を聞くことを排除する趣旨では全くないということでございます。

いずれにしても、特定技能の在留資格に係る制度の在り方について検討を加えるために必要と考えられる方からは幅広く御意見を聞いてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

昨日の参考人質疑で参考人から重大な指摘がございました。それを踏まえて質問いたします。

在留資格「特定技能」の創設による受入れは、技能実習制度による受入れと酷似している、そして、しかも技能実習から相当程度の移行が見込まれるということで、技能実習で生じているその問題が拡大してしまうのではないかという危惧が表明されました。この危惧についてどのようにお答えになるのでしょうか、法務大臣に伺います。端的にお答えください。

国務大臣(山下貴司君)

参考人質疑において参考人がそう述べられたというのは、参考人の方の御見解なんだろうと、酷似というのがその御見解なんだろうと思いますが、今回の新たな制度は、これは技能実習と趣旨、目的が異なっている就労資格を新たに設けるものでございます。在留資格も別の制度でございます。といったことから、酷似しているという御評価については、これは同意しかねるところでございます。

また、技能実習で生じている問題が拡大しているものではないかとの危惧が示されましたけれども、この点に関して、参考人がおっしゃっている趣旨というのが、その新たに技能実習法が改正されたことよりも以前の段階のお話について基づいてお話しになっているのかなというふうに感じさせられたところもございます。

政府としては、技能実習法に関しましては、しっかりとこれは新たな、去年の十一月から施行された技能実習法に基づいてしっかりやってまいりたいというふうに考えております。

そして、今回の受入れの、新たな受入れについては、受入れ機関が、例えば人権侵害行為の防止として、まず受入れ機関が適正なものとなるよう、出入国又は労働に関する法令に関し不正を行っていた場合は欠格事由とする、そういったことで、技能実習生に対して暴力行為を行っていたような実施機関はこれはもう受入れ機関にはならないと、参入できないというふうにしております。

そのほか、例えば様々な保護措置というのをとっておりますので、参考人の御見解ではございますけれども、技能実習で生じている問題が拡大してしまうとの危惧、これが、そういった懸念を払拭するために全力を尽くしてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

外国人の生活をサポートする制度の確立がなされていない。国会でもほとんど議論されていないことにも指摘がありましたが、サポート制度について今後どのように検討されるのか、伺います。短くお答えください。

政府参考人(和田雅樹君)

サポートの制度につきましては、一つは、特定技能外国人に対する支援を規定しておりますので、様々な支援活動に、職業生活、日常生活、社会生活上の支援を支援として実施していくということがこの法律の規定上の一つでございます。

それから、現在、年内の取りまとめに向けまして、在留外国人の方、この特定技能の方に限らず、在留する外国人の方全般に、対象といたしまして、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、この検討を進めておりまして、その中で、生活者としての外国人に対する支援ということで様々な支援のプログラムを挙げているところでございます。

いずれにいたしましても、法務省といたしましては、この新たな在留資格、それはもちろん、我が国に在留する全ての外国人の生活をしっかりとサポートできるように、受入れ環境の整備に係る司令塔としての機能を発揮し、関係省庁と連携協力して関連施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

恋愛の禁止、それから妊娠の禁止、移動の禁止など、外国人労働者の生活面の介入と権利の制限が行われていることについても、参考人は、技能実習制度は技能実習生を可能な限り労働力としてしか存在しないようにするものだと痛烈に批判をされていました。このような批判をどのように大臣は受け止められるでしょうか。

国務大臣(山下貴司君)

この参考人質疑につきましては、技能実習制度に関するところでございました。これは本当に、委員及び参考人の方が御指摘されたように、一部の受入れ企業において、安価な労働力の確保策という誤った技能実習制度の理解に基づいて、またさらには、悪質なことに、一部において人権侵害行為が行われているという指摘があるということは承知しております。

法務省としては、私も含めて、そういった事態は問題であるというふうに考えておりますので、御指摘を真摯に受け止め、不正な受入れ企業に対する、あるいは技能実習実施機関に対する厳格な対応を取ることが必要であるというふうに考えております。

ですから、一般論ではありますけれども、人権侵害行為につきましては、事案に応じて技能実習計画の認定の取消し等の措置をとり得るということでございますし、また、そういった把握のために実地検査や母国語相談対応の取組などによる技能実習生の保護をしっかり図ってまいりたいですし、まいってきたところですし、門山政務官をトップとするプロジェクトチームでの検討会の御検討を経て、更にしっかりと吟味してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

定住を阻止された外国人労働者は地域にとってどのような存在であるのかということについて、人口減少の中、技能実習生がいなくては成り立たなくなっている地域がたくさんあると指摘した上で、地場産業の貴重な支え手が地域生活の中では顔が見えない他者となっていることに懸念をされました。

一方で、外国人労働者が地域社会を支え、活躍している岡山県の総社市の例を挙げられました。このような先進的な取組を制度設計の参考にすべきだと思いますが、大臣の御見解を伺います。

国務大臣(山下貴司君)

私も岡山でございまして、また岡山県総社市の取組については承知しているところでございます。

こうした良い取組につきましては、これは共有すべく、例えばこの関係閣僚会議などでもやはり関係閣僚の皆様にお伝えし、政府を挙げて共有すると、そしてできることはしっかりやっていくということで取り組んでまいりたいと考えております。

糸数慶子君

失踪技能実習生の問題に関しては、法務省及び入管局、入国管理局の人権意識を疑うような、そういう実態が今国会を通して明らかになってまいりました。

調書の手書き部分には人権侵害の生々しい実態が書いてあるにもかかわらず、また法務大臣も局長もそれを一部読んだとはおっしゃっておりました。それにもかかわらず、先ほどの質問の中にもありましたけれども、それから先は何もなされない。そのような人権意識に基づいて業務を行っている省庁が難民認定をしているということの問題点も提起をしたいというふうに思います。

これまでこの法案の問題を指摘してまいりましたが、ほとんど具体的なお答えをいただけませんでしたので、改めてもう一度白紙に戻して審議をし直す、そのような必要があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。

以上です。

<午後 対政府質疑>

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

安倍総理への質問の前に、一言申し上げたいと思います。

辺野古新基地建設をめぐり、沖縄防衛局は五日、土砂の積込み作業を再開させました。三日の作業開始直後、沖縄県に手続の不備を指摘された政府は、一旦作業を中断したものの、法令の運用や解釈を都合よく変更し、県議会が開かれている最中に、県の立入検査も終えないまま、作業を再開させたのです。本当に驚きと怒りを禁じ得ません。

官邸に集中させた権限をフルに使い、異を唱える者を排除する、この強権的な手法こそが安倍政権の特徴です。政府をチェックすべき司法も安倍政権をそんたくして判断を避け、国会運営も安倍内閣のスケジュールに沿って進められると。この国の三権分立が形骸化しているのではないかと大変危惧しております。そういうことを申し上げまして、質問に入りたいと思います。

安倍首相は、所信表明演説で、「少子高齢化という我が国最大のピンチもまた、チャンスに変えることができるはずです。 この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減る中でも、女性活躍の旗を高く掲げることで、女性の就業者は逆に二百万人増やすことができました。」と自画自賛されました。確かに、女性の雇用者数、増えておりますが、非正規雇用が増えても少子高齢化のピンチをチャンスに変えることなど到底できません。

二〇一七年の男性の賃金は三十三万五千五百円、女性では二十四万六千百円で、男性を一〇〇とした男女間賃金格差は、過去最少とはいっても七三・四で、一時間当たりで比較すると、正規雇用の男性と短時間労働の女性では二倍の格差があります。

二〇一二年四月、OECDのグリア事務総長が来日された際、日本は国内の経済格差にもっと危機感を持つべき、社会の階層化と収入格差の拡大に取り組む必要があると指摘されました。その上で、グリア事務総長は、急速な高齢化による問題を緩和するためには、日本は男女間の収入格差を是正する必要がある、既に日本の労働人口はOECD中最も高齢である、女性を社会に参画させなければ日本は急速に衰退していくであろう、埋め合わせのための唯一の方策は積極的な移民政策だと強調されました。

今回の入管法改正は、労働力不足を外国人材の受入れで解消しようとしていますが、一方で、移民政策ではないと強調されています。外国人受入れの環境整備も整わず、移民の受入れには消極的、社会の階層化と収入格差も男女の賃金格差も解消されず、まさに、グリア事務総長の日本は急速に衰退していくだろうというそのような指摘は現実のものとなっていると言わざるを得ません。

そこで、安倍総理に伺いますが、グリア事務総長の指摘をどのように受け止められているでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

グリア事務総長の発言は二〇一二年でありますが、まだ安倍政権が誕生する前の前政権のときの発言でございまして、当時の、これは前政権のときの話でありますが、我が国の女性の就業率が米国を始め欧米主要国と比べて低く、日本ではまだまだ女性の能力を生かす余地が大きいとの問題意識に基づいての御発言だろうと、こう思います。

まさに、その意味では、我々、政権発足と同時にこのグリア事務総長の問題意識を共有しまして、女性の、女性活躍の旗を高く掲げた結果、五年間で女性就業者は二百万人増加をしました。そして、女性就業率は英国やドイツなどを大きく上回ります、六・六、七%増加をしました。あっ、六・七%増加をしたわけでありまして、今や二十五歳以上の全ての世代で米国を上回っておりますし、また、このように女性の就業が拡大をし需給がタイトとなる中においては、女性の平均賃金も月一万三千円増加をしまして、実はこの男女間の賃金格差も、足下においてはこれ過去最少となっているわけであります。男女の賃金差は最も少なくなっているということでございまして、グリア事務総長がこの発言をされた前政権のときから比べて大きく改善をしているということでございます。

こうした成果については、実は、昨年、グリア事務総長からも良いニュースだというふうに評価をしていただいているわけでございまして、実はこれも御紹介をいただきたかったなと、こう思うわけでありますが、今回における制度は、人手不足が深刻な問題となる中で、こうした努力のみならず、高齢者の就労拡大、生産性向上などの取組を行ってもなお労働力が不足する分野に限り受け入れるものでございまして、引き続き、女性の活躍も含めて、多くの方々が望めば働くことができる社会をつくっていきたいと、このように考えております。

糸数慶子君

るる御説明をされておりますけれども、やはり現実としては、女性が安心して、そして若者たちが結婚して安心して子供を産むことができない、それが結果的には少子化になっている。そのツケが、今こういう形で外国人を入れなければどうしようもないという状況に来ているのではないかということを改めて指摘をしたいと思います。

総理が、今、衆議院では、野党から多くの問題が指摘されたにもかかわらず、それに答えることなく強行採決されました。その際、大島理森衆議院議長は、与党の国対委員長に対し、この法案は大変重い、政省令も多岐にわたる、施行前に法制度の全体像を明らかにすべきだと述べていらっしゃいます。国会へのその報告を求められました。極めて異例のことだと思います。

安倍総理の強権的で国会を軽視する政権運営に対して大島議長はこれまでも苦言を呈されておりますが、今回の大島議長の苦言を総理はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に機敏に対応するため、在留資格に関する具体的な細部事項は法務省令等の下位法令に委ねられることが多いところでありますが、衆議院議長からの御指摘を重く受け止め、本改正法施行前に政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告をし、そして制度の全容をお示ししたいと考えております。

糸数慶子君

この委員会でもいろんな質疑が行われておりますけれども、なかなか答弁がかみ合わない、そして、きちんと質問したことに対しては答えられないということがこれまでの質疑の結果であります。本当に、こういう大島議長の苦言を総理が受け止められて、しっかり期限どおりやっていけるのかどうかというのも疑問でございます。

衆議院で採決された後に、野党が技能実習生への聴取票を閲覧、集計した結果、法務省の集計結果とは全く違う約七割が最低賃金を下回っていることが分かりました。さらに、労働法に違反するひどい事例が次々に明らかになり、審議に値しない、中身の全くない法案であることが分かりました。

法案審議のための不都合な真実を隠して衆議院で強行採決をしたのですから、一旦廃案にし、明らかになったことを、その事実を基に審議をやり直すべきではないかと思いますが、安倍総理、いかがでしょうか。

国務大臣(山下貴司君)

まず、事実関係について、調査を担当した法務省であります、所管大臣の私からお話しいたします。

まず、法務省がお示しした通知というのは、これは二十九年に失踪した実習生の聴取票、ここの失踪動機欄のチェック欄、このチェック欄に記載されたものを集計した数値でございまして、その低賃金、最低賃金以下を挙げたところにチェックされたものについてお示ししたものでございます。その反面で、この野党の先生方がお話しした、例えばその聴取票に記載されておる時間、労働時間とされているもの、そして給料、月額の給料とされているものを単純に割って最低賃金を割り出したものではないということでございます。

法務省といたしましては、この二十九年の個票について、これはもう明らかに不正はないなというものを除いて、これは徹底的な調査をしなければならないというふうに考えておりまして、この対応について、今、法務省内に設置された、弁護士である門山政務官をヘッドとするプロジェクトチームにおいて調査を行っておりますし、技能実習の実態把握についてはここでやっているというわけでございます。

ただ、今回の新たな制度というのは、これは技能実習制度とは違う、その二年前に成立し、一年前に施行になった技能実習法に基づく制度とは異なって、新たな制度として、特定技能外国人保護の、受入れ拡大を認めるものでございまして、この保護の観点から、受入れ機関あるいは特定技能外国人との雇用契約の要件や受入れ機関が満たすべき要件、様々な要件を定め、そして、新設する出入国在留管理庁が指導、助言や報告徴収、立入検査などを行い、また改善命令を行うということを定めているわけでございます。

こうした外国人の保護措置も新たな受入れ制度にとっておるわけでございまして、政府としては、この現下の人手不足に対応するために四月からの制度スタートを目指しているということでございまして、この点、御理解賜ればと考えております。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

事実関係については今大臣から述べさせていただいたとおりでございますが、政府としては、現下の人手不足に対応するため新たな受入れ制度を早急に実施する必要があると考えておりまして、来年四月からの制度スタートを目指しているところでございます。

制度が構築された際には、今大臣からも申し上げたような様々な措置を的確に適用することにより、特定技能外国人の保護、制度の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

そもそも外国人材の受入れは、今年二月、経済財政諮問会議において安倍総理が検討を指示したことに始まり、六月に骨太の方針として方向付けられ、法案の骨子が公表されたのは十月十二日であり、最終的に十一月二日に閣議決定されたものです。しかし、検討の結果が示され、結果に至る検討の内容はほとんど明らかにされていません。

衆議院で費やされた時間は、空回しも入れて僅か十七時間、その後、データの改ざんや技能実習生への人権侵害が次々に明らかになったにもかかわらず、そうした重大な問題に背を向け、採決ありきで進められていること、まるで国会が政府の下請機関のような、そのような扱いを受けていることに危機感を持たざるを得ません。安倍総理のこの強権的な姿勢は、沖縄県民の心に寄り添いとうそぶき、沖縄県民が選挙で繰り返して辺野古新基地建設反対の民意を出してもその民意を踏みにじる、そのことと通底しています。言葉だけが誠実で態度が不誠実では信頼を得ることはできないということも強調したいと思います。

安倍総理に伺いますが、国民の六割が今国会でのこの法案に対して成立することを反対している、その民意はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。総理にお伺いいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

国会の審議の在り方については、まさに国会がお決めになることでございまして、私のコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府としては、いただいた時間の中で本法案の必要性、重要性を御理解いただけるよう、また、与党のみならず野党の皆様にも幅広い御支持をいただけるよう丁寧な説明に努めてきたところでございます。

報道については、御指摘のような報道のほか、今回の外国人労働者の受入れ拡大については賛成が過半数を超えているというものなど様々であるものと承知をしています。

現下の深刻な人手不足の解消は待ったなしの喫緊の課題であり、可能な限り早急に新たな受入れ制度を実施する必要があるため、政府として、今回の改正法案を成立させ、来年四月からの制度スタートを目指しているものでございます。

糸数慶子君

ちょっと時間が参りましたので、一つの質疑は取り下げていきたいと思いますが、安倍総理が、昨日、参考人質疑で、参考人からは、日本に来られた外国人が労働力不足を補うものではなく、人間として暮らせるための権利を保障すべきであるということをおっしゃっていたことはもう御存じだと思います。

法制審で五年の歳月を掛け審議し、国民世論の過半数が賛成している選択的夫婦別姓には、家族の在り方に関わるとして慎重な姿勢を示しながら、一方で、日本の社会の在り方に大きく関わる本法案は、十分な審査も国会の議論も尽くさないままに強硬に進めることを改めて強く抗議をしたいと思います。

外国人材の受入れとは人の受入れです。労働者として迎え入れたその人々の人権をこの社会がどう守っていくのか、それが大きな問題であります。国会審議だけではなく、在留外国人の人々の上に、また日本社会のそれぞれの地域、現場でどのようなことが起こっているのか十分に検証し、また全体での議論を行う場を設置し、包括的な移民政策を策定すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

ありがとうございました。